■ニュース深堀り!■町工場主役のインダストリアルツーリズム 画像 ■ニュース深堀り!■町工場主役のインダストリアルツーリズム

インバウンド・地域活性

 地方再生のひとつの方法論として「インダストリアルツーリズム」が注目を集めている。これは“産業観光”ともいわれるもので、たとえば小規模事業者も含まれる工場地帯などが、地域ぐるみで複数の工場を開放して見学会などを催す取り組みだ。9月7~9日に開催された「第82回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2016」でも、インダストリアルツーリズムの一環として、「オープンファクトリー(工場開放)」の報告セミナーが開催された。全国各地のイベント主催者とともに経済産業省の参事官も登壇し、同省が助成金などでインダストリアルツーリズムをバックアップしていることも説明している。

 また、日本のモノづくりを海外に広めようと、インバウンドへの対策も積極的だ。埼玉県では16年6月から多言語パンフの制作などを支援する「インダストリアルツーリズム促進事業補助金」制度を開始。そのほか、国内ではすでに工場見学を行なっているビール工場などでも、外国語の案内設備を新設するなどの動きが増えている。

 インダストリアルツーリズムには、いわゆる町工場と呼べるような中小企業も参加している。そこには町工場にとってどのようなメリットがあるのか。同ツーリズムを研究するとともに、「おおたオープンファクトリー」にも参画している、首都大学東京 教授の川原晋さんと、准教授の岡村祐准さんに話を伺った。

■小さな町工場でも参加できるインダストリアルツーリズム

――そもそも「インダストリアルツーリズム」とはどんなものなのでしょうか?

岡村 文字通り産業を観光資源として活用しようということです。従来の工場見学などもそのひとつですが、製品を購買してもらうためだけでなく、もっと広く“街づくり”といった視点で産業をとらえています。中でも、主流となっているのが“オープンファクトリー”という、工場を一般に開放する取り組みです。その目的は地域振興、住工共生、工業振興など多岐にわたります。

川原 それぞれの地域で目的は多少違いますが、自治体、観光協会、そして企業(工場)などがいったいとなっているケースが多いですね。

――お二人は大田区で開催の「おおたオープンファクトリー」に参加しています。これは、インダストリアルツーリズムでも特に大きなイベントですが、先ほどの目的の中でも、さまざまな成果が期待できそうです。

岡村 これは、下丸子駅・武蔵新田駅周辺にある工場を開放し、さまざまな加工の様子を見たり、体験したり、また職工さんと話したりするイベントです。15年には約70社の工場が参加しました。

――小さな工場も参加できるのですか?

川原 大田区の工場の特徴でもあるのですが、一部を除いて参加企業のほとんどが中小企業です。その多くが部品などを製造していて、完成品はほとんどありません。なので、このイベントに合わせて金属加工技術を生かしたサイコロなど、完成品も新たにつくっています。

 これは「おおたオープンファクトリー」だけではなく、全国のオープンファクトリーで見られることです。大きな企業はもちろん、職人さんが社長だけという企業も多く参加しています。

《関口賢/HANJO HANJO編集部》

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