岡山県・津山文化センター、新築ではなく大規模改修で長寿命化を 画像 岡山県・津山文化センター、新築ではなく大規模改修で長寿命化を

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 岡山県津山市は、建築家・川島甲士氏が設計し、近代建築として国内外から高い評価を得ている「津山文化センター」=写真=の耐震化対策として、意匠の継承などの観点から、新築ではなく大規模改修することで長寿命化を図る。老朽化した部材や設備の更新、バリアフリー化、環境負荷を低減するための設備投資など、建物の構造的な寿命を延ばすとともに、機能を高める改修を行うなど施設耐用年数を30年間延ばす。
 今月中にも改修の基本計画・設計者を選定する公募型プロポーザルを公示する予定で、19年度の工事完了を目指す。
 津山文化センター(山下68)は、1965年に竣工したSRC一部S造地下1階地上3階建て延べ4677平方メートルの施設。建物外観は木造寺院建築などに用いられる「斗梗(ときょう)」をモチーフに、幾重にもせり出す軒を支える「斗梗構造」をコンクリートで表現しているのが特徴。
 設計は川島甲士氏(1925~2009年)、構造設計は木村俊彦氏(1926~2009年)・渡辺邦夫氏(1939年~)が手掛け、展示ホールの壁画はグラフィックデザイナーの粟津潔氏(1929~2009年)の作品として知られている。67年にはBCS賞を受賞。また「日本におけるDOCOMOMO選定建築物」に指定されるなど、建造物として高く評価されるとともに、市のシンボル的な存在となっている。
 整備基本方針によると、目標耐用年数80年を目指し、建物の耐震化・長寿命化を図るため、▽意匠の継承▽耐震改修▽低炭素化に向けた改修▽長寿命化と安全性の確保▽バリアフリー化と機能向上▽市民芸術活動の活性化とにぎわい創出-に取り組むとしている。
 具体的には、▽現状の意匠に配慮した屋根や外壁・外部改修▽耐震壁などの設置による耐震補強や大ホール天井の現行建築基準法への対応▽自然エネルギーの利用▽機械設備改修、大ホール客席、天井・壁・床・建具などの内部改修、難燃性・防火性など安全性に配慮した改修▽舞台装置などの更新▽展示ホールやレストランなどをリハーサル室などに変更(構造に工夫を加え、会議やダンス、体操などにも使用できるよう多機能化を検討)-などを行う。

岡山県津山市/津山文化センター耐震改修/9月中にも基本計画・設計プロポ公告

《日刊建設工業新聞》

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