本を閉じたまま中身がわかる!? 超能力のようなテクノロジー現れる! 画像 本を閉じたまま中身がわかる!? 超能力のようなテクノロジー現れる!

IT業務効率

 本を閉じたまま中身がわかる? そんな超能力のような技を可能にする装置のプロトタイプを、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボとジョージア工科大学(ジョージアテック)の研究者が共同で開発した。電磁波の一種で、マイクロ波と赤外線の間の波長を持つテラヘルツ波を利用している。9日発行の[http://www.nature.com/ncomms/2016/160909/ncomms12665/full/ncomms12665.html{ネイチャーコミュニケーションズに論文}]が掲載された。

 ただ、今のところ検出できるのは、表面に文字が1つずつ書かれた紙を9枚重ねた状態まで。どのページに何の文字が載っているかを認識するレベルに留まっている。それよりページが多くなると検出信号がノイズに隠れてしまうという。さらに多くのページを読み取るため、研究チームでは検出精度の向上や、テラヘルツ波の発信装置の出力アップに取り組むという。

 今回の研究では、MITメディアラボがそれぞれのページからイメージを検出する技術を開発し、ジョージアテック側で、歪んだり不完全だったりするイメージを正しい文字に変換するアルゴリズムを担当した。

 テラヘルツ波はこれまで、おもにセキュリティー用途向けに応用研究が進められてきた。X線や音波と同じように、物体の表面を透過する性質を持つ一方で、化学物質によってその周波数ごとの吸収率が異なることから、その反射波のプロファイルを分析することで、爆発物であるかないかといった検知に使える。

 今回はその原理を利用して、インクで印字された部分と、紙に何も書いてない部分とを識別しつつ、検出器への反射波の到達時間によって距離の違いを計算し、何ページ目の文字かを判別している。

 一方で、テラヘルツ波はページの間でも反射を繰り返し、検出器のセンサーにそうした偽信号が入るとノイズとなってしまう。そこでMITでは偽信号をふるいわけするフィルターを開発。まず検出器への到達時間で正しい信号を確定しておき、それ以外の到達時間や反射波のエネルギープロファイルから、偽信号を取り除く。

 本を開かなくても中身が透視できる技術は、長期間の経年劣化でもろくなり、本に触れること自体がはばかられる古い文献などの調査に役立てられるかもしれない。実際、MITの研究者によると、ニューヨークのメトロポリタン博物館がこの研究に大きな関心を寄せているという。

本を閉じたまま中身がわかる技術、MITとジョージアテックが開発

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

編集部おすすめの記事

特集

IT業務効率 アクセスランキング

  1. 【中小工場のIoT化最前線:1】見える化で生産性を向上!

    【中小工場のIoT化最前線:1】見える化で生産性を向上!

  2. 【中小工場のIoT化最前線:3】稼働状況も職員の体調も見える化!

    【中小工場のIoT化最前線:3】稼働状況も職員の体調も見える化!

  3. 大断面山岳トンネル工事、月進270メートル達成!過去最長記録!!

    大断面山岳トンネル工事、月進270メートル達成!過去最長記録!!

  4. アメリカから考える日本版シェアリングエコノミーの未来:前編

  5. 【ITで攻めの農業:3】圃場のクラウド管理で一等米を増産!

  6. 【IoTツール最新事情:前編】本音で語る、中小企業のイチオシとは?

  7. VR/ARのトレンドとは? 未来を提示する展示会「CES2017」

  8. ガラスに広告などの映像を投影可能…旭硝子「Glascene」

  9. ドローンの飛行禁止区域等がわかる地図サービス登場!

  10. アメリカから考える日本版シェアリングエコノミーの未来:後編

アクセスランキングをもっと見る

page top