大成建設のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル) 画像 大成建設のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

IT業務効率

 大成建設は、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)普及に向け、施工後の運用改善を行う支援体制を18年度までに整備する。引き渡し後の物件に対して、エネルギー消費実績を分析して運用改善を支援することで、計画段階で算出した適正なエネルギー収支を実現するのが狙い。自社施設で蓄積したノウハウを活用し提案活動で他社との差別化を図ることで、ZEB案件の受注増加につなげたい考えだ。
 施工後に引き渡した物件のエネルギー利用は、基本的に施主や入居者に委ねられる。空調や電気設備などの使い方次第では、エネルギー使用量の実測値が計画値を上回ってしまう可能性もある。同社は引き渡し後の運用改善を支援することで、計画値に近いエネルギー収支を実現し、顧客にZEBのメリットを享受してもらう。
 同社は、14年5月に技術センター(横浜市戸塚区)内に建設した「ZEB実証棟」で、2年連続してエネルギー収支ゼロを達成した。さらに太陽光などで創出するエネルギーが消費エネルギーを上回るPEB(ポジティブ・エナジー・ビルディング)化も実現した。
 2年目の運用に当たっては、設備機器などの運用改善を実施。消費エネルギーを前年比で7%削減した。創出エネルギーから消費エネルギーを差し引いた余剰電力についても50%改善するなど、運用改善の効果が顕著に表れた。この結果をZEBに関する提案力強化に役立てることで、完成物件を対象とした運用改善支援の拡大につなげる。
 同社は現在、立地条件やZEBレベルに応じた計画建物・設備の費用対効果を試算できる自社の計画・評価ツール「T-ZEBシミュレーター」を活用した提案活動を展開中。これまでに、ZEB提案実績として「愛知県環境調査センター・愛知県衛生研究所整備事業」(発注・愛知県)など新築3件、改修1件の計4件を受注している。
 今後は、シミュレーターを活用した提案活動と並行して、施工後の運用改善を行う支援体制の整備を急ぐ。ZEB提案に当たっては、1次エネルギー消費量を国のZEB定義における基準値から50%以上削減する「ZEB Ready」を中心に受注増を目指す方針だ。

大成建設/ZEB普及へ施工後の運用改善支援/適正なエネルギー収支実現

《日刊建設工業新聞》

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