【卸・問屋の新戦略:4】情報力を活かしたコンサル事業に活路! 画像 【卸・問屋の新戦略:4】情報力を活かしたコンサル事業に活路!

制度・ビジネスチャンス

【記事のポイント】
▼これからの卸・問屋には、“情報提供”と“コンサル”が求められている
▼「問屋無用論」には“専門特化”の強みで対応できる
▼垂直統合によるビジネスの多角化、異業種参入に将来性アリ


■生産者と小売業者を単に仲介するだけではない

 時代の変遷とともに消費行動が大きく様変わりしている。良いモノを安く買おうと量販店を利用し、休日は食事やレジャーも楽しめるショッピングモールで過ごす。ときには自宅に居ながらテレビや雑誌を通じてこだわりのモノを通販で購入。そのために、パソコンやスマホを使って自ら率先してほしいモノを検索する。

 こうした変化のあおりを受けているのが流通業界だ。特に深刻なのは卸・問屋業者で、低価格化に向けて流通コストを削減すべく、生産者から小売業者へモノを流通させるいわゆる中抜きが多く見られるようになった。大手資本を中心とした量販店やショッピングモール、通販事業者の勢いにおされて中小の小売業者の業績が低迷すると、そこを卸先とする卸・問屋のビジネスも縮小を余儀なくされていく。

 昨今では問屋無用論まで叫ばれるほどだが、そんな中で“問屋生き残りと成長可能性”を説いているのが、中小企業経営論に詳しい明治大学教授の岡田浩一氏。同氏が注目するのは、これまで卸・問屋が果たしてきた機能の必要性である。

「卸・問屋は生産者と小売業者の仲介役を担っています。生産者から商品を“調達”し、それを小売業者へ“販売”するわけですが、その間に商品を“保管”し、それを運ぶ“物流”の機能も果たしています。しかし、これらはあくまで表面的なものです。実際には生産者や小売業者に対して、“金融”“リスク負担”“情報提供”“コンサル”という4つの機能を提供できます」

■コンサル事業が卸・問屋生き残りのカギ

 卸・問屋が提供できる4つの機能のうち、岡田氏が重視しているのは“情報提供”と“コンサル”だ。このうち、“情報提供”とは卸・問屋が常日ごろから取引を通じて、小売業者や生産者から得ている情報を活用すること。例えば、商品の売れ筋や消費者ニーズの変化となど、市場に関する情報を小売業者から生産者へ提供。逆に、新技術・新製品の開発や商品供給の見通しなど、生産者から得た情報を小売業者へ提供することで、双方に新製品開発や販売戦略などに役立てるというわけだ。

 もちろん、単に情報を提供するだけではなく、その際にアドバイスや提案も行なう役割を卸・問屋は担う。それが“コンサル”だ。

「モノがなかなか売れない時代になったといわれていますが、それは消費者がほしい思うモノがない、ほしいと思う消費者がいる場所でモノが売られていないということです」

 例えば、海外から輸入された低価格商品の影響で減少していく日本のメーカーに対しては、メイドインジャパン商品の背景にある技術・文化・伝統などの“コトがら”を、価値で勝負できる消費者(売れる場所)にとどける。メーカーがもつ“コトがら”を引き出し、それを効果的に伝える方法を提案することで、メーカーの売り上げ向上につなげるわけだ。価値を追求する消費者とメーカーのマッチングをコンサルすることが、メーカー存続の一助となる。

「小売業者に対しても、例えばアパレルショップであれば、単に着るという衣料の機能だけではなく、オシャレに関心の高い客が集まるだろうという視点に立つ。そのうえで、オシャレをキーワードにした関連商品を提案し、それをどのようにディスプレーしたら顧客の購買意欲につながるのかをアドバイスします。売上に大きく貢献するディスプレーや棚割りを提案することで、単なる卸・問屋の枠を超えたビジネスパートナーとして信頼され、さらなるビジネスチャンスにつながるはずです」

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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