パラリンピック閉幕。東京五輪の課題は仮設施設や暑さ対策 画像 パラリンピック閉幕。東京五輪の課題は仮設施設や暑さ対策

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 ◇仮設施設に課題/建設業に正しい評価を
 東京都の塩見清仁オリンピック・パラリンピック準備局長は、日刊建設工業新聞など建設専門紙各社のインタビューに応じ、2020年東京五輪開催に要する全体経費の説明などで責任を果たしていく考えを表明した。当初の想定より、競技施設の整備費などが増大しているとの批判については、「計画策定時に見積もりが過小だった面はある」としつつ、11年3月の東日本大震災以降、高騰した人件費、資材価格などの実情を踏まえ、「適正に契約を結んでいる」と述べた。
 --知事を本部長とする都政改革本部で東京五輪が調査対象となった。
 「五輪の計画準備や予算などの妥当性については、都政改革本部の調査チームにチェックをしてもらっているところだ。全体経費をどう捉えるのかは課題だが、五輪開催に一体どれだけの経費がかかるのか明らかになっていない点が不安や懸念を招いている。都民に納得してもらえるよう、調査に協力している」
 「全体経費を都、国、組織委員会の3者でどう負担していくのかについても説明が明らかになっていない面がある。新規の競技施設のうち、五輪後も使用する恒久施設の整備は都の負担で進めている。他の役割分担の見直しについては、3者で事務的な協議を進めている。しっかり説明責任を果たしたい」
 --競技施設整備には建設業界の役割が欠かせない。
 「さまざまな報道はあるが、受発注者は適正に契約を結んでいる。基本計画の策定時には通常、具体的な設計までは行わないため、設計を進める中で当初の見積もりが過小だったということが後で判明する結果になった。人件費や資材価格の高騰なども重なり、マイナスのイメージを持たれてしまったと感じている」
 「成長戦略と言うと、ソフト対策やICT(情報通信技術)の活用などに目が向くこともあるが、国内の発展を支えてきた基盤は間違いなくコンストラクションの力だ。建設業は悪者ではない。競技施設整備に携わる建設業者には、培ってきた高い技術力を生かし、コストにも配慮した施工に努めてもらいたい」
 --リオデジャネイロ五輪を視察して得た教訓は。
 「リオでは土地に余裕がある分、バス高速輸送システムが機能していた。都内は鉄道などの公共交通機関が発達しているので、その機能をしっかり生かしていく。鉄道やバスの乗り継ぎは都民でも戸惑うことがあるが、ちょっとした工夫で外国人がより利用しやすい交通機関にできるはずだ」
 「さまざまな会場を見て回ったが、仮設施設のあり方には課題があると感じた。日本の場合、地震発生への備えの必要性などがある中で、リオと同じ形を導入できるかについては検討が必要だ。大会期間中のセキュリティー、暑さ対策にもしっかり対応する」
 --五輪後の東京は。
 「前回の東京五輪では、新幹線や首都高などがレガシー(遺産)として目に見える形で残った。新たな五輪では何を残せるか。水素社会の実現に向けた取り組みは道半ばだ。多様性を認める社会も目指し、バリアフリー化などを進めていく」。
 (しおみ・きよひと)83年中央大法学部卒、東京都入庁。中央卸売市場管理部長、交通局次長、交通局長を経て4月1日付で現職。福島県出身、57歳。

東京都オリ・パラ準備局長・塩見清仁氏に聞く/施設整備の状況は/説明責任果たす

《日刊建設工業新聞》

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