築地市場移転延期、建設業界にも大きな影響が 画像 築地市場移転延期、建設業界にも大きな影響が

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 東京都は、老朽化が顕著な中央卸売市場築地市場(中央区築地5)の移転を17年1月以降に延期する。移転先となる11月7日開場予定の豊洲市場(江東区豊洲6)の安全性などに一部の市場関係者が懸念を示していることが理由。築地市場の解体工事を受注済みの施工者には、工期遅延に伴う負担が発生する可能性が出てきた。12月には築地市場跡地を通過する都道環状2号の未開通区間の暫定開通も予定されていたが、こちらも延期となる見通しだ。
 現在の築地市場(場内)は11月2日に閉鎖し、同7日に移転する計画だった。豊洲市場については、本体施設4棟(水産仲卸売場、水産卸売場、青果、管理)の工事が5月中に完了。現在は、地下水管理システムなどの整備が10月17日までの工期で進んでいる状況だ。
 そうした中、7月に知事選が行われ、「都民ファースト」を掲げる小池百合子氏が当選。8月31日の記者会見で移転延期を表明した。
 小池知事は、地下水のモニタリングの最終結果が出る17年1月より前に移転を行うとしていた都の従来計画に反発。さらに建設、土壌汚染対策、用地取得、関連工事の各経費を合わせた事業費が当初計画時の3926億円(建設費990億円)から5884億円(同2752億円)に跳ね上がった点や、土壌汚染対策に計849億円を投入しながら、市場関係者の不安が消えていない点なども延期の理由に挙げた。
 今後は「市場問題プロジェクトチーム(PT)」を庁内に新設し、豊洲市場建設に要した予算の適正性や、新たな移転時期、市場関係者への支援措置などを検討する。豊洲市場には「使い勝手が悪い」との指摘もあることから、より安全で働きやすくなる工夫も検討する。PTの成果を踏まえ、小池知事は、移転を中止するか実行するかの結論を17年1月以降に出す。
 築地の移転延期は、市場関係者だけでなく建設業者にも影響を与えることになりそうだ。
 都は、築地市場の解体対象施設を取り壊す工事4件を既に発注済み。都中央卸売市場は、11月7日の着工、18年3月15日の完工に向け、施工計画などの準備を進めていたが、「着工の遅れなどの条件変更が生じれば、受発注者で協議を行い、工程を精査することになる」という。
 東京五輪が開幕する2020年7月までの全線開通を目標に、建設局が整備を進めている環状2号の未開通区間(港区新橋~江東区豊洲、延長3・4キロ)の進ちょくへの影響も懸念されている。臨海部と都心部を結ぶ環状2号は、都市整備局が計画中のバス高速輸送システム(BRT)のルートの一部でもある。12月の暫定開通に向け、一部の仮設道路は築地市場の敷地内に建設する計画だったが、同局は、「市場が閉鎖されなければ工事はできない」という。築地市場の敷地の地下には、環状2号の本線トンネルを別途建設する計画のため、築地市場の閉鎖と解体は必ず必要になる。
 築地市場の跡地については、五輪開催時に駐車場などとして利用する案も出ていた。さらに移転が延びたことで、使用を当面継続する築地市場の安全対策も新たな課題となる見通しだ。

東京都/築地市場移転を延期/環状2号整備や東京五輪に影響波及も

《日刊建設工業新聞》

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