大林組が山岳トンネル向けCIM開発。切羽前方地質の「見える化」へ 画像 大林組が山岳トンネル向けCIM開発。切羽前方地質の「見える化」へ

IT業務効率

 大林組は29日、山岳トンネルの建設向けに新しいCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)のシステム「予測型山岳トンネルCIM」を開発したと発表した。ノンコア削孔切羽前方探査技術「トンネルナビ」で高精度に予測した切羽前方の地質状況と、ボーリング孔内を観察して崩落の可能性がある岩塊(キーブロック)を予測した情報をCIMに取り込み、3次元(3D)モデル上に明示することで、施工効率の効率化や安全性の向上に役立てる。
 新システムは、既存の探査技術をCIMと組み合わせ、切羽前方地質のさらなる「見える化」を図った。トンネルナビは、切羽前方を50メートル程度、岩石コアを採取しないで高速せん孔し、削孔速度、押し付け圧、回転圧などの機械データを基に、地山の硬軟や断層破砕帯の有無を予測する。
 解析値データを3D-CAD化し、CIMに取り込むことで、当初想定した地山と実際の地山の違いを掘削前に明確化し、必要に応じてより最適な支保工を配置できるようになる。
 ボーリング孔内の観察は、独自の簡易孔内観察装置で行う。先端に取り付けたカメラにより、孔内画像をリアルタイムでノートパソコンに映し出し、ボーリング孔の割れ目や地質状況を短時間で把握できる。
 この装置で得た画像から地山に存在する割れ目の方向と角度を調べることで、割れ目とトンネル断面で構成されるキーブロックを見つけ、CIMシステム上に表示。掘削前に適切な対策方法を検討できるようになる。
 国土交通省九州地方整備局発注の「椿山トンネル工事」(宮崎市)など複数のトンネル工事に適用し、技術の信頼性を確認済み。設計から施工まで効率的に行える山岳トンネル工事のマネジメントツールの一つとして積極的に採用を提案していく。
 同社は、15年3月に竣工した国交省近畿地方整備局発注の「近畿自動車道紀伊線見草トンネル工事」(和歌山県)で、CIMの3Dモデルに施工中に取得した地質状況などを統合化したデータを国内で初めて電子納品するなど、山岳トンネル分野のCIMシステムの開発に力を入れている。

大林組/山岳トンネル向けCIM開発/切羽前方地質の予測反映、効率化と安全性向上

《日刊建設工業新聞》

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