泥水式シールド向けのヒ素含有汚泥浄化技術、鉄粉剤を増やし処理時間を短縮 画像 泥水式シールド向けのヒ素含有汚泥浄化技術、鉄粉剤を増やし処理時間を短縮

IT業務効率

 安藤ハザマは25日、泥水式シールド工事で発生する自然由来のヒ素を含む汚泥を効率よく浄化する技術を確立したと発表した。泥水にヒ素との吸着性が高い鉄粉剤を添加・撹拌(かくはん)混合し、ドラム回転式磁力選別装置を使ってヒ素が吸着した鉄粉剤を取り除く。水中の土砂重量に対する鉄粉剤の量を従来の1~5%から8~10%に増やすと同時に、選別装置を高磁力型から低磁力型に変えたことで、処理時間は3分の2程度、装置のコストは半分程度になるという。
 地下に鉄道や道路を建設する大型プロジェクトが本格化している首都圏では、工事に伴い自然由来で基準値を超える重金属を含む土が大量に発生し、処分に多額の費用がかかることが問題となっている。
 自然由来の重金属のうち、国内で特に発生事例が多いのがヒ素。従来の浄化技術では、鉄粉剤を水中の土砂重量に対し、1~5%の量で添加した後、撹拌混合処理に30分以上かかる。ヒ素が吸着した鉄粉剤の回収には、3000ガウス(G)以上の高い磁力のレアアース磁石を使った磁力選別装置も必要となる。
 そこで同社は、浄化技術のさらなる効率化に向けた検討を進め、泥水への鉄粉剤の添加率が高いほど泥水の浄化時間が短縮されること、ドラム回転式磁力選別装置の鉄粉分離回収効率が上昇することを確認した。
 鉄粉剤の添加率を土砂重量の8~10%程度に設定することで浄化処理時間を短縮。磁力選別装置についても、廉価で一般的なフェライト磁石を用いる低磁力タイプ(1500G程度)の装置を採用し、従来と同等の鉄粉回収率98%以上を確保することに成功した。
 鉄粉剤は、添加率を上げてもヒ素の吸着能力が飽和状態になるまで繰り返しの使用が可能で、工事全体での総使用量は従来と変わらないという。
 最終処分場や浄化施設で処理されるヒ素含有汚泥(二次処理土)を、汚染のない一般建設汚泥へと効率的に浄化でき、処分費の大幅な削減につながる。パイロット試験を実施済みで、今後は外径10メートルを超える大断面のシールドトンネル工事を見据え、技術の改良に取り組んでいく。

安藤ハザマ/泥水式シールド向けヒ素含有汚泥浄化技術確立/鉄粉剤増やし処理時間短縮

《日刊建設工業新聞》

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