【卸・問屋の新戦略:1】問屋街に未来を! 東京・日本橋の挑戦 画像 【卸・問屋の新戦略:1】問屋街に未来を! 東京・日本橋の挑戦

インバウンド・地域活性

【記事のポイント】
▼周辺地域を巻き込んだ“街づくり”が、問屋街の新たな存在価値を生む
▼WiFi整備などで外国人バイヤーに選ばれる街を目指す


■問屋と問屋街の成長には、新たな戦略が必要

 少子化や経済の停滞によって消費が冷え込む中で、国内の問屋や卸業に新たな戦略が求められている。日本でも最大規模の問屋街と知られている日本橋馬喰町には、かつて全国の小売業者が衣料品の卸しに集まっていた。しかし昨今は、地方の小規模衣料品店の不振が目立ち、顧客、売り上げも伸び悩んでいるという。

 同問屋街では16年3月から3回に渡って「問屋街生き残り戦略連続講演会」を実施した。講師を担当したのは、明治大学で中小企業論を担当する岡田浩一教授。これからの卸問屋に求められる役割について岡田氏は、日本政策金融公庫 総合研究所の提言を引用している。それが、「Stock control(在庫管理)」、「Speedy Supply(即納)」、「Solution Suggestion(解決策の提案)」、「Product planning(生産企画)」だ。特に、後者の2つについては、問屋に集まる情報と人脈を活用するという、今までにない機能といえるだろう。

 さらに、問屋街全体としての生き残りについても、近年の商店街の近況を踏まえた上で、新たな街づくりを含めた解決策を示唆している。卸・問屋は、そして問屋街はこれから先の時代を、どのように生き残っていくべきなのだろうか?

■衣食住の充実で問屋街全体の再生を図る

 日本橋問屋街のある東京・日本橋横山町界隈は、東京駅にもほど近く、JRや地下鉄の駅もあるため、仕入れに集まるバイヤーにとっては絶好のロケーションだ。衣料品を中心に約150店舗の問屋が軒を構えるが、近年では顧客や売り上げが停滞傾向にあり、街はかつてのにぎわいを失いつつある。そこで、同地区の2つの問屋組合が合同で設立したのが、「問屋街活性化委員会」だ。

「ここは日本有数の問屋街です。呉服屋の多かった堀留町が近かったこともあり、江戸時代から衣料品問屋街として発展してきました。歴史のある街なのです。この問屋街にかつてのような賑わいを取り戻したい。そんな思いから、この『問屋街活性化委員会』を約15年前に立ち上げたのです」

 そう語るのは、委員会の会長を務める株式会社宮入の宮入正英社長。日本橋横山町という問屋街全体を、どう魅力的な街にするかという活動をしている。街づくりが成功すれば問屋街に人が集まり、それが個店の繁栄につながるからだ。

 同委員会では5~10年後の問屋街をどう活性化させるか、その中長期的なビジョンを策定。「ディープ問屋街」「工住混在商業エリア」「商業隣接都市型居住エリア」という3つの柱を定めた。このうち「ディープ問屋街」では、問屋街のよさを残しつつも、リノベーションや中長期的建て替えなどで再開発、公共空間整備を行って商業地としての魅力を向上。既存問屋を核に、新進クリエーターなどの高付加価値型事業者を取り込んでいく。

 街づくりのビジョン策定やテナントの呼び込みなどを手掛ける「街づくりソフト委員会」を統括する株式会社細谷商店の細谷正博社長は、すでにこの構想に基づいた取り組みが動き出していると話す。

「若いデザイナーを呼んでオフィスを問屋街内に事務所を置いてもらったり、街づくりにも参画してもらっています。『トンヤdeサファリ』というファッションイベントも行っています」

《関口賢/HANJO HANJO編集部》

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