■ニュース深掘り!■中野から考える、都市部の駅前再開発 画像 ■ニュース深掘り!■中野から考える、都市部の駅前再開発

インバウンド・地域活性

 東京・中野の駅前が大きく姿を変えようとしている。01年に移転した警察大学校の跡地には、13年から14年にかけて明治、帝京平成、早稲田の3大学のキャンパスや施設が次々と建ち、キリンホールディングスの本社も移転してきた。お昼時などには街に学生たちがあふれ、一時は食事どころを探して歩く姿も見られたほどだ。この先もさらに駅前を中心とした再開発が計画されており、16年8月25日には中野サンプラザを含む周辺地域の再整備事業に向けて、野村不動産を代表とする事業協力者グループが選定されたばかりだ。

 再開発は街の人とモノの流れを大きく動かす。では、そこに地元の中小企業はどのように対応すべきだろう。いや、そもそも再開発という大規模プロジェクトに、中小企業が関わっていくことができるのだろうか? 大手のデベロッパーが主導する多くの街づくりプロジェクトにおいて、そこに民間が参画するのはあまりにハードルが高すぎるように思われる。

 中野の再開発では区内の5つの経済団体が協力し、「これからの中野のまちづくりを考える会」を発足。16年3月には区長と区議会議員にむけた提言書を提出している。地元企業も一体となった街づくりは、どのように行われているのか。同会の代表幹事を務める高山義章さんに話を伺った。

■文化に寄りそう街づくりが、経済のリスクヘッジとなる

――中野駅前では現在サンプラザ周辺をはじめ、様々な場所で再開発計画が動いています。これを地元企業の方々は、どのような思いで見ているのでしょうか?

高山 現在計画されている再開発では、西側の線路沿いにある囲町一帯を三井不動産が、駅南の西口地域をUR都市機構が、南口地域を住友不動産と西松建設が、それぞれ主体となって再開発を進めています。その中でエリアマネジメントが行われていないため、ようするに中野という街をバラ売りしている状態なんです。そこに地域としては最大の危機感を持っています。

――このまま進めば、連動や回遊性のない再開発になってしまうということですね。「これからの中野のまちづくりを考える会」が提出した提言書では、トータルコンセプトとして「多彩な文化が織りなすまち×そしてその文化を「皆で」育成・醸成していくまち」が提案されていました。これは、エリアマネジメントに対する、地域からの提言ということになるのでしょうか?

高山 「これからの中野のまちづくりを考える会」は15年6月に発足し、一個人でも参加できるワークショップ型の勉強会を繰り返してきました。その中で分かったことの一つが、個別の開発で街は発展しないということ。そして、もうひとつがハード(建物)とソフト(中身)が連動したコンセプトが必要だということです。

――そのコンセプトとして、会では“文化”に注目されました、その理由とは何だったのでしょうか?

高山 中野は言わずと知れたサブカル文化の聖地ですが、他にも梅若能楽学院会館を中心とした伝統文化、社会福祉法人愛成会を中心としたアール・ブリュット(アウトサイダーアート)が根付いています。エリアマネジメントとして、文化芸術のアウトソーシング機能を取り入れるというのは、自然な動きでした。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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