【サテライトオフィスの利点:3】働き方改革をこの場所でトライする! 画像 【サテライトオフィスの利点:3】働き方改革をこの場所でトライする!

人材

【記事のポイント】
▼職住隣接環境を求める有能なワーキングマザーを確保するために導入
▼本社で二の足を踏む改革をまずサテライトで実践


■二児の母でもある社長自ら感じた働き方への違和感

 そのオフィスには、他の企業ではあまり見かけないものがいくつもあるという。例えば、使い込んだ子供用品がいくつも入れられた「譲り合いボックス」。例えば、どう見ても家で調理しないと食べられない、共有の冷蔵庫に入れられた数家庭分の夕飯や朝食用の食材。そして、晴れやかな表情で働く女性たち――。

 千葉県流山市に今年3月、サテライトオフィスを開設した「ISパートナーズ」は、東京・赤坂に本社を持つ「アイスタイル」の連結子会社だ。代表は、本社の取締役兼CCOでもある山田メユミさん。同山田代表自身が2歳児と0歳児を育てる真っ最中のワーキングマザーで、仕事と育児の両立が始まったことで、これまで通りの働き方を続けることに難しさや違和感を感じたのが、サテライトオフィスを開くきっかけだったという。

 流山市は「母になるなら、流山市。」のキャッチフレーズで若い共働き世帯を積極的に誘致・支援し、全国の自治体の中で10位の転入超過数を誇る。同社では市内在住の女性起業家と連携し、シェアオフィスの一角にサテライトオフィスを構えた。20人程度の採用予定者のうち、現在17人が本社での3カ月の研修を経て、流山オフィスで働く。その社員は現在、全員が女性で既婚率は8割強。約6割が子供を持つ母親だ。住職近接を希望する、能力も意欲も高い女性が集まり、生き生きと働いているという。

■サテライトで本社の喫緊の課題2つの解決を狙う

 なぜアイスタイルは子会社を設立し、サテライトオフィスを立ち上げたのか。

 アイスタイルとISパートナーズ両社が本社を置く東京都港区赤坂のアーク森ビル34階オフィスで取材に応じた野田智子さんの話を聞くと、本社が抱えていた2つの問題を解決させる目的があったようだ。その一つは、働き方改革だ。

 本社の「アイスタイル」(吉松徹郎社長)は、美容系総合ポータルサイト「@cosme」の企画・運営と関連広告サービスを行う会社だ。インターネットが広く普及し始めた99年に設立され、世の女性の美容に関する口コミを集めて総合サイトに成長した。いまでは圧倒的な認知度を誇る。 

 美容がテーマということもあり、社員における女性比率は高く、今年6月末の時点で、グループ企業も合わせた社員532人のうち7割が女性。女性管理職比率も4割を超す。山田代表と同様、会社を支えてきた女性社員は、いま次々と仕事と結婚や子育てとの両立を迫られるライフステージに差し掛かる。こうした女性社員を会社としてどう支えるかが喫緊の課題になる中、サテライトオフィス開設は、本社の働き方改革のトライアル拠点という一面があったという。

「本社でも子育てしながら働かれている方はいますし、産休育休といった一般的な支援制度もありますが、一方で、本社で大胆な働き方を導入しようとするとリスクも高い。そのため、サテライトオフィスで実際に多様な働き方をしていただきながら、意見をうかがい、制度を調整しつつ、今後、本社で導入できるものを模索したいと考えています」

《塩月由香/HANJO HANJO編集部》

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