■ニュース深掘り!■東京再開発に見る中小のビジネス機運 画像 ■ニュース深掘り!■東京再開発に見る中小のビジネス機運

インバウンド・地域活性

 ブラジル・リオから五輪旗が持ち帰られ、20年の五輪開催がぐっとリアリティを帯びてきた東京。オリンピックに向けて現在、あちこちで大型の駅前開発が進んでいる。ここ最近でいうと、16年8月に「浜松町駅周辺地区土地区画整理事業」の手続きが完了したが、これによって世界貿易センタービルの建て替えを含む再開発が、いよいよ本格着工することになった。このような関連ニュースが、ほぼ毎月のように東京のどこかから発信されている。

 駅前に新たなビルが建てば、商業施設やオフィスが増えれば、それに伴う消費の拡大、新たな人や物の流れが見込まれる。小売や飲食といったサービス業を営む企業にとって、出店立地を見定める上で重要な判断の指針となるだろう。

 16年下半期を前に、いま改めて、注目すべきエリアがどこで、そこが今後どのように活性化し、ビジネスチャンスが見込まれるのか。都心部の不動産開発や関連する社会動向に詳しい三井住友トラスト基礎研究所の室剛朗さんに、東京の駅前開発の現状と今後を聞いた。

■東京の重心は「東京―品川ライン」偏重に

――13年の東京五輪開催決定以来、あちこちで駅前開発のニュースを耳にするようになりました。改めて現在、駅前開発が進む地域を確認させてください。

室 そうですね。実情は、決定以来というよりも、アベノミクスによる景気回復・低金利環境を背景として、建設意欲が高まりやすい素地があったところに、オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定したことで加速した、ということだと思います。

 現在、駅前の再開発が進むエリアは首都圏でも相当数あります。主だったものを挙げても10近い地域で計画が進んでいます。

 中でも、一番注目すべきなのは東京駅前の八重洲、JR山手線の品川駅から田町駅間、渋谷駅の3地域。次いで、新橋の駅前の開発に注目しています。

――なるほど。特に注目されているのは、どのエリアになりますか。

室 東京駅から品川駅にかけての一帯です。かつて、東京のオフィスマーケットでは、東京と新宿など副都心で機能を分けた時代がありました。それが00年以降、丸の内ビルディングに代表される東京駅前の開発が進み、ビジネスの中心が東京駅にシフトしました。そして今後、東京駅と品川駅の間の開発が進むことで、さらにプレゼンスが向上していくと考えられます。新橋駅前の開発も予定されており、東京―品川ラインの強化が想定されます。

 一方、70年代から80年代に建てられた新宿の高層ビル群は、今後どう建て替えが進んでいくかが焦点となります。品川にリニア中央新幹線の駅が建設され、JR山手線の新駅もできれば、業務の拠点性がどんどん東に移っていくことも考えられます。よって注目すべきは東側のエリアの再開発だと見ています。

――八重洲、新橋、新宿、品川など、それぞれの駅は再開発後、どう棲み分けると思われますか?

室 そうですね。まず、東京駅周辺はオフィスマーケットでいえば「横綱」なので、品川にリニア中央新幹線が開通したとしても、その機能が取って変わられることはさすがにないと思います。八重洲の再開発の目玉の一つとして、地下に巨大なバスターミナルができることが挙げられます。羽田からバスが乗り入れる拠点ができることで、インバウンドにおける拠点性も高まり、より中心性の高い街になると思います。

《塩月由香/HANJO HANJO編集部》

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