■ニュース深堀り!■中国資本でよみがえる大阪の中小製造業 画像 ■ニュース深堀り!■中国資本でよみがえる大阪の中小製造業

インバウンド・地域活性

 16年4月の契約調印を終えてなお、新聞紙面などを賑わせている台湾・鴻海によるシャープの買収劇。ただ、こうした大陸系企業の日本進出は、決して大手に限った話ではない。大阪外国企業誘致センター(O-BIC)では近年、アジアの企業誘致案件が増加。中でも、15年に全46件あったアジア圏の誘致案件のうち、31件を占める中国(香港を含む)が存在感を増している。

 O-BICは大阪府と市、大阪商工会議所を含めた三者の共同で01年に設立。各種の情報提供や手続き代行などのワンストップサービスを提供している。その活動は着実に実を結び、15年度までの15年間で累積の誘致実績は426件にのぼる。特に直近は、2年連続で過去最高を更新するほどの好調ぶりだが、この勢いを後押ししているのが、先ほども紹介した中国の存在だ。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)でも、外国企業の日本への投資と事業拡大をサポートしてきた実績がある。このサポート案件数を東京と大阪で比較した場合、東京はヨーロッパ、米国、アジアが1/3ずつの割合であるのに対し、大阪は6割以上をアジアが占めている。アジアの中でも特に積極的なのは中国だ。いま、中国と大阪はどのような関係にあるのだろうか? ジェトロ大阪本部で対日投資推進課長を務める井上徹哉さんに話を伺った。

■“日本製”への信頼と人気から中国企業が日本へ

――そもそもなぜ中国からの対日投資が増えているのでしょうか?

井上 1つの要因として、中国国内で日本製品に対する信頼と人気が高まっているからです。中国人が観光で日本を訪れて、日本製品を“爆買い”していくことが話題となりましたが、中国のバイヤーは日本の貿易事業者からの輸入の先に進もうとしています。日本へ進出して日本製品の調達拠点を設け、日本のメーカーから直接、商品を買い付けようと動き始めているのです。

 最近では中小企業にアプローチしているバイヤーの動きも見られますが、日本の中小企業の中には外国語でのやりとりや貿易実務などに十分に対応できないところもあります。そこで、単なる商品の買い付けだけではなく、日本語で話せるスタッフを用意し、貿易実務の代行も含めて中小企業にアプローチする中国企業が現れてきています。

――中国市場ではメイド・イン・ジャパンの競争力が高いということですね?

 まさにその通りです。中国のメーカーもそこに目をつけており、日本の中小企業にOEMを依頼する事例も増えてきています。自社ブランドの市場価値を高める上で、メイド・イン・ジャパンが付加価値となっているのです。

 また、付加価値という点では、研究開発の拠点を日本に置くケースもあります。中国では経済成長とともに人件費が高騰し、価格が競争力に結び付かなくなっています。そこで拠点を日本に置いて日本人の技術者を雇い、日本で研究開発を行った製品だということで競争力を高めようというわけです。実際、大阪は家電メーカーの町でもありますが、中国の大手家電メーカーが日本人技術者を募集する求人広告をよく目にします。

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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