人気も価格も安定の銘柄豚、スーパーのファン拡大へ 画像 人気も価格も安定の銘柄豚、スーパーのファン拡大へ

制度・ビジネスチャンス

 スーパー各社が鹿児島産「黒豚」など高値の銘柄豚の販売を強化している。通常、主力になる一般の国産豚枝肉が今年、相場が乱高下しているのに対し、価格が安定的で販売計画を立てやすいためだ。銘柄豚の産地は引き合いを受け、「この機会に手に取る消費者が増えればファン拡大につながる」と歓迎する。

 「肉質がきめ細かく、うま味たっぷり!」。首都圏で展開するスーパー、サミット(東京都杉並区)が精肉売り場に貼り出した看板のうたい文句だ。PRするのは鹿児島産「六白黒豚」。今年から全113店舗で、特売の回数を前年より1カ月当たり1、2回増やした。ちらしには載せない「切り落としセール」も多く仕掛けている。

 主力部位のロースは100グラムが388円(税別)。一般の国産豚ロースより5割近く高いが、「仕入れ価格が安定しており、売価を動かさずに安心して売り込める」(精肉部)のが店側には魅力だ。

 関東圏で約300店舗展開するマルエツ(豊島区)では自社ブランドの銘柄豚の販売が好調。7月の売り上げは前年同月を8%上回り、一般豚肉の伸び率を超える売れ行きをみせた。仕入れ量も約1割伸びている。

 アピールするのは、飼料にこだわり肉の臭みを減らした国産「桜もち豚」。市場を介さず仕入れるため価格が安定している。ロース(同298円・税別)をちらしに頻繁に載せ、客を売り場へ呼び込んでいる。

 銘柄肉を両社が売り込むのは、「国産豚枝肉の相場変動が大きい」(精肉バイヤー)ことが背景にある。市場の相場は今年、7月初旬まで上げ下げを繰り返した。価格の振れ幅は約3割と、例年にない動きになった。

 仕入れ値がぶれると店は利幅と売価の設定が難しくなる。そのため、市場動向の影響を受けにくく、量や価格が安定する銘柄豚が相対的にアピールしやすくなった。

 JA鹿児島県経済連は「6月初旬から黒豚の引き合いが強まっている」と明かす。取引価格の安定は、生産者にとって「将来計画が立てやすく生産に集中できる」と好意的に捉える。人気の高まりで消費が伸びれば「コストに見合った売価設定がしやすくなる」と見通す。

銘柄豚販促強化 背景に一般枝肉価格の乱高下 ファン拡大へ好機 スーパー

《日本農業新聞》

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