熊本地震からいち早く営業再開した「蘇山郷」、復活までのすべて 画像 熊本地震からいち早く営業再開した「蘇山郷」、復活までのすべて

制度・ビジネスチャンス

【記事のポイント】
▼いち早い雇用調整助成金の申請が、従業員離れを防ぐ
▼遠方の建設業者を呼ぶ際は、宿泊地確保が震災復旧の課題に
▼個人や地域を超えた、大規模な復興計画や補助金申請を考える


■地震被害からの復旧、その時経営者に必要なことは?

 もしも会社が大地震による被害を受けたら、経営者はどう動けばいいのだろうか。従業員への手当は? 社屋の復旧には何が必要なのか? これらの課題にいち早く対策したことで、今年4月の熊本地震の被害から、いち早く立ち直ろうとしている旅館がある。

 阿蘇外輪山の一角にある阿蘇内牧温泉の老舗旅館「蘇山郷」では、三代目の永田祐介氏が跡を継いだ翌年に九州北部豪雨の被害を受ける。さらに、16年4月には熊本地震が発生したが、永田氏はわずか2カ月で施設の修復に着手。夏の繁忙期に合わせて営業を再開した。

 素早い復旧の裏で、永田氏はどのような筋道で行動したのか。それは、中小企業の経営者にとって、知っておくべき予備知識となるだろう。

■万が一の避難場所、安全・快適なのは「車の中」

 サービス業では震災被害にあったとき、客の避難誘導が重要な役割となる。その点では14日の前震は、蘇山郷にあまり影響がなかった。1時間ほどすると余震も収まったため、ロビーに集めていた宿泊客も、部屋に戻って休むことができたという。

 しかし、16日の本震は阿蘇内牧温泉のある内牧一帯に大きな被害をもたらした。震災直後に停電が発生し、避難先に指定されていた体育館も含めて復旧のめどが立たない。時期的にもまだ肌寒い中、永田氏は宿泊客をマイクロバスへと誘導。そこで一夜を過ごしたという。これについては、冬場の火災を想定し、バスへと客を誘導することにしていた避難訓練の経験が生きた。

「館内にある非常灯も30分から1時間しかもたないので、館内に留まるという選択肢はありませんでした。当時は市内でも車中泊をされた方が大勢いましたが、車の中が一番安全だったのだと思います。こうした避難先を用意しておくのは、やはり大事ではないでしょうか」

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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