15年度の食料自給率、米の消費減を小麦が補う 画像 15年度の食料自給率、米の消費減を小麦が補う

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 農水省は2日、2015年度の食料自給率がカロリーベースで39%と、6年連続で横ばいだったと発表した。自給率の高い米の消費が減ったが、小麦などの国内生産が増え、前年度と同率にとどまった。政府は25年度までにカロリーベースで45%に高める目標を掲げるが、足踏み状態が続いている。今後、環太平洋連携協定(TPP)の影響も懸念される中、国産農産物の生産基盤の立て直しや需要拡大が急務となっている。
生産額は上昇
 食料自給率は、国内の食料消費を国内の農業生産でどの程度賄えるかを示す指標。自給率の高い米の消費が減り、輸入飼料に頼る畜産物や油脂の消費が増えたことで、1960年度の79%をピークに低下傾向が続く。

 15年度は、米の消費減と水産物の不漁で、それぞれ0.1ポイント下げたが、好天に恵まれ収量が増えた小麦とテンサイの国内生産量が押し上げ、米などの減少分を補った。小数点以下では前年度より増えたが、小麦とテンサイの豊作がなければ、自給率が前年度を下回っていた可能性もある。

 一方、生産額ベースでは66%と6年ぶりに前年度より増えた。野菜と牛肉など畜産物が0.7ポイントずつ上げた。所得増大の重要な指標だが、今回の上昇は主産地の天候不順や基盤の弱体化を背景にした品薄高が影響した。

 政府が昨年決めた食料・農業・農村基本計画では、カロリーベースで45%、生産額ベースで73%の目標を掲げるが、達成に向け楽観視できないことが浮き彫りになった。森山裕農相は同日の閣議後会見で「食品消費から農業生産に至る各般の取り組みを進めていくことが大事」と語り、国産農産物の消費拡大や需要に合わせた生産、優良農地の確保、担い手の育成を進め、自給率を高めていく考えを示した。

 昨年から公表している食料の潜在的な生産能力を示す「食料自給力」の指標は、農地の減少と収量減を背景に低下した。

 飼料自給率は28%となり、前年度を1ポイント上回った。飼料用米の生産量が増えた。輸入飼料に大きく依存する畜産の経営安定にとっても、飼料自給率の一層の向上が課題となっている。

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6年連続39%止まり 米の消費減 小麦補う 15年度 食料自給率

《日本農業新聞》

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