■ニュース深掘り!■訪日客、次のゴールデンルートを探せ! 画像 ■ニュース深掘り!■訪日客、次のゴールデンルートを探せ!

インバウンド・地域活性

■次に来るドル箱コースはここだ

――今後インバウンドが増えるであろうエリアとして、成定さんが注目している場所はどこですか?

成定 そうですね。いま私が注目しているのは、7月から京王電鉄グループが中部・北陸地方の各社と連携して、新宿からの乗り継ぎチケットの販売を開始した「三つ星日本アルプスライン」です。このルートは昇龍道の効果ですでにインフラを含めた受け入れ態勢が整っていることもあり、短期間のうちに稼ぐ路線になるのではとみています。

――「三つ星日本アルプスライン」について具体的に教えてください。

成定 大きな特徴としては、中部空港発の昇龍道に対して、新宿から出発するという点と、訪日客に人気の松本城に立ち寄れるという点です。高速バスを乗り継ぐ三つ星アルプスラインは、ミシュランで三つ星の評価を得た松本城のほか、平湯温泉、高山、白川郷を経て、金沢か富山へと抜けるコースになっています。乗り継ぎ運賃が最大3割値引きされることもあり、そう時間をかけずにお金を生む路線になるのではと見ています。

 京王電鉄グループが、チケットの発売に合せて京王モール内に中部・北陸地域の観光名所の情報を集めた専用窓口を作るほど力を入れている点も、そのように見る理由の一つです。

――なるほど。中長期ではいかがですか?

成定 東北ですね。訪日客のFIT化の流れと東日本大震災の時期が重なったことから、ほか地域に比べてまだそこまで多くの個人の訪日客が東北を訪れていません。ただ、この春から仙台空港が民営化され、東急電鉄グループに運営が委託されたことが転機になるのではと見ています。

 仙台空港にはこれまで羽田線も国際便もありませんでしたが、民営化によって「将来は国際便の定期便を」という声もあります。仙台空港がゲートウェイとしての機能を果たし、そこから東北6県を周遊するというコースを作れれば、東北がFITの受け皿になることは十分考えられます。

 地域そのものを見ても、訪日客向け観光地としてのポテンシャルが十分にあります。世界遺産の平泉に山寺、ねぷたなどの夏祭り、福島県会津地方の大内宿など、海外受けしそうなコンテンツが東北にはまだまだたくさんあるのです。

 中でも、山形県鶴岡市を中心とした庄内地域一帯に注目しています。藤沢修平のふるさとで、丸ごと一つの谷をロケ地にしているところもあります。写真文化やブログ文化が根付くタイ人は好むでしょう。ただ、公共交通機関では行けないような場所なので、現在は、ロケに参加するタレントの日本人のファンが見に行く程度のようです。個人の訪日客には、まだハードルが高いかもしれません。

 仙台空港や鉄道、バスといった公共交通機関の連携によって、こうした地域をつなぐ周遊ルートはいくつも生まれる可能性があり、生まれれば集客力があると見ています。国も現在、各地の運輸局を中心に、広域周遊ルートの創出支援を模索しているようですが、いうなれば、欧州のロマンティック街道やカナダのメイプルルートのような周遊ルートをいかに創出できるかで、個人の訪日客の数も変わってくるのではと感じます。

《塩月由香/HANJO HANJO編集部》

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