「まずはこちらから」の精神で 画像 「まずはこちらから」の精神で

制度・ビジネスチャンス

 私は税理士法人、いわゆる会計事務所を経営するかたわら、「ビジネス交流会」を主催しています。名称は「東京メトロポリタンビジネス倶楽部」、ちょっと長いので略して「TMBC」と呼んでいます。

 いわゆる世間で言う「異業種交流会」ですね、もう10年近くにもなります。中小企業の経営者を中心に、個人事業主や企業の営業マンから中堅・大企業の幹部の方までが参加してくれている会です。

 ビジネス交流会ですから、もとよりその目的はお互いのビジネスをアップデートすることです。自分あるいは自社の売上を伸ばすような営業活動の一環となる交流会を、月1回やろうということで始まりました。ですから重要なのは「成果を上げること」であり、毎回、会の冒頭には成果発表をすることに決めています。毎回、かなり多くの成果を皆様が楽しげに発表してくれます。私にとっては、それが何よりの楽しみです。

 成果をたくさん上げている人はどんな人かと言うと、実は多くの人に成果を提供している人でもあるのです。ですから、その人の名前や会社名は、提供した側、提供された側でしょっちゅう出てきます。これがいい宣伝効果となって、皆様から仕事の依頼を受ける、製品などを購入してもらえるという好循環になっていくのですね。

 会長である私がしょっちゅう言っているのは、「まずは自分から会や会員の皆様に、お役立ちをしていきましょう」ということです。異業種交流会へ行くと、会費を払って参加しているのだから元を取ろうと言わんばかりに、やたら名刺を配りまくる、自分の会社の売り込みをする、翌日にすぐ電話をして押しかける、というような人が目につくことがあります。営業マンとして積極的に行動するのは悪いことではないのですが、そういう方はあまり成果が上がりません。逆に皆から疎まれて居づらくなり、成果も上がらないので、すぐにやめていってしまう、というのがオチです。

 そうではないのです。自分はこの会に何ができるのか? 集まった皆様にお役に立てることはないか? ということをまず考え、それをやってみることが重要なのです。仕事を紹介してもらいたいのなら、まずはこちらから紹介することが大事なんですね。紹介をしてもらえたら誰だって感謝します。嬉しいはずです。そうなると、何かお返ししなくちゃいけない、という心理になるものです。それが返す前にさらに紹介されたら、自社の商品を購入してもらえたら、どうなるでしょうか? 「これは大変! 早く私も何かお返ししないと・・・」と思うのではないでしょうか?

 そうなることによって、お互いが紹介し合う、商品を購入し合う、何らかの仕事の依頼をする、という良い関係ができてくるのです。私はビジネス交流会、異業種交流会の成果を上げていくためには、「まずはこちらから」という精神が基本だと思っています。

 私は次のようなこともよくお話しします。「皆様同士でのビジネスには限りがあるかも知れません。そうそうマッチングしませんね。でも、皆様の後ろにはそれぞれ相当のバックグラウンドがあるはずです。そのバックグランドを是非、活かして欲しいのです。1人の人の後ろには平均250人の知り合い、お付き合いしている人がいると言います。経営者である皆様はもっと多いと思います。ですから、自社ではお役に立てない、購入できないとしても、自分の後ろの人たちには紹介できる人、適した人がいるかも知れません。それをよく考えてみて、皆様自分のバックグラウンドを皆のために是非、活かして欲しいのです」

 40~50人の会員の中のビジネスでは、たかが知れています。でも、会員の皆が自分のバックグラウンドを活かすことができたら、「50人×250人」、さらには知り合いのまた知り合いの“べき乗”で、ものすごい商圏ができ上ってきます。たとえ小さなビジネス交流会であってもそのくらいの力があるのです。

 これはビジネス交流会だけの話ではありません。皆様が普段やられている仕事の仲間、様々なコミュニティにおいても成り立ってくる考え方です。それもこれも、「まずはこちらから」の精神がスタートになってくるのではないでしょうか?


●北岡修一(きたおかしゅういち)
東京メトロポリタン税理士法人 統括代表。25歳で独立以来、税務会計業務を基本としつつも、経営診断、人事制度の構築支援、システム導入支援などコンサルティング業務にも携わってきた。現在は「会計理念経営」を掲げ、「会計を良くすると、会社が良くなる!」をモットーに、誠心誠意、中小企業を支援している。主な著作に『社長の「闘う財務」ノート ~ 社長の数字力が会社を鍛える』(プレジデント社)がある。

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《北岡修一》

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