市場が落ち込む中で6000円以上のブラはなぜ売れる 画像 市場が落ち込む中で6000円以上のブラはなぜ売れる

制度・ビジネスチャンス

 次の“爆買い”の主役は―。訪日外国人旅行者(インバウンド)の大量消費の停滞感が漂うなか、女性の社会進出の拡大を背景に働く女性に商機を見い出すメーカーの動きが活発化している。女性に身近な製品を販売する化粧品や下着メーカーは、相次いで新ブランドや製品を投入。各社のターゲットは、管理職に就く30―50代の女性たち。好景気を経験した“バブル世代”だ。キャリアを積んで所得も購買意欲も旺盛な客層を取り込み、売り上げ拡大を目指す。

 「自分のための消費を惜しまない」。バブル世代の消費行動をこう分析するのは、下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパンだ。同社によると、人口減を背景に2015年の下着市場全体は需要が落ち込んでいるが、6000円以上のブラジャー単体の売り上げは約2%増加。高価格帯が好調で、1度の来店で10万円以上購入する顧客もいるという。

 そこで同社は、6月に「美意識やファッション感度が高く、時代の先端を駆け抜けてきた女性」である45―54歳をターゲットに、高級下着ブランド「フロラーレ バイ トリンプ」を立ち上げた。ブラジャーは7000円前後、ボディースーツは1万5000円前後と高価格の設定とし、百貨店で販売する。

 「良い時代を経験したバブル世代の顧客は、良いモノを見分ける“目利き”ができる」(トリンプ・インターナショナル・ジャパン)として、体形をカバーするシルエットだけでなく、繊細な刺しゅうやレース、肌を明るくみせる色や生地など細部にもこだわった。

「働く女性」が主人公に
 働く女性の増加に伴い、「ストレスによる肌荒れ」に着目したのは、ポーラ・オルビスホールディングスの子会社ディセンシア(東京都品川区、小林琢磨社長、03・3494・1570)だ。これまでの敏感肌は、強い刺激や幼少期アトピー因子などが原因とされてきた。

 だが、小林琢磨社長は「今後は間違いなく“心理的ストレス”が最大要因になる」と断言する。ストレス社会で免疫力が低下し、敏感肌が増加するという。

 ディセンシアは敏感肌用化粧品ブランド「アヤナス」を刷新し、11月に30―40代の仕事を持つ女性を対象にしたスキンケア化粧品を通信販売で投入する。小林社長は「3年以内に百貨店へ進出したい」と意気込む。

 日用品メーカーではライオンが、目薬「スマイルホワイティエ」を9月に発売する。長時間のパソコン使用や睡眠不足で「目が充血している人は約5歳も年上に見られる」と分析、目の代謝を促す成分を配合し白目に改善する。「30―40代の美容意識が高い有識女性をターゲット」(ライオン)に新規開拓を狙う。

 安倍晋三政権は経済政策「アベノミクス」の成長戦略で、「女性が輝く日本」を重要政策の一つに据える。実現に向けた政策では、指導的地位に占める女性の割合を20年までに30%程度とする目標を掲げており、企業の女性を登用する機運も高まっている。

 化粧品や日用品、アパレルメーカーは、働く女性を主人公にした内容で製品を訴求するテレビCMも相次いで投入するなど、訴求に余念がない。今後もバブル世代の需要開拓の流れは続きそうだ。
(文=山下絵梨)
《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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