【ポストものづくり時代:3】B2BからB2Cへの脱却! 画像 【ポストものづくり時代:3】B2BからB2Cへの脱却!

海外進出

【記事のポイント】
▼B2BからB2Cへの転換、そして異業種への参入で下請け脱却
▼自社でできないことは専門業者とのつながりで解決、自らは本業に専念


■自社ブランドの確立でB2BからB2Cへ

 中小企業の多くは大手企業からの下請けを中心としている。下請けの場合、まとまった規模の仕事を安定して得られるメリットがある一方、コストカットなどの名目で値下げを強いられ、利益を圧縮せざるを得ない状況に追い込まれるなど、発注元企業の意向で経営環境が大きく振り回されるリスクがつきまとう。

 そのはざまで苦境に立たされる中小企業が多い中、注目されている新たな方向性の1つとなるのが脱下請け。製造業の場合は自社ブランドの確立により、完成品を消費者へ販売する。いわばB2BからB2Cへの転換だ。

 金属加工のものづくり企業が多く集まる新潟県・三条で、鋳物製造を営む三条特殊鋳工所は、B2BからB2Cへの転換という“ポストものづくり”に成功した企業の1つである。同社は自動車や建設機械などの部品の一部を製造しているが、13年に鋳物ホーロー鍋「ユニロイ キャセロール」を開発すると、14年にグッドデザイン賞を受賞した。

 さらに、翌15年には国際的に権威のある「レッドドット・デザイン賞」を受賞したほか、中でも特に優れた作品に贈られる「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を獲得。これで脚光を浴び、国内の料理愛好家から高く評価される一方、中国や台湾からも注文を受けるほどの人気ぶりだ。同社の内山照嘉社長は次のように話す。

「ホーロー鍋はほかにもさまざまな商品が市場に出回っていますが、弊社が開発した『ユニロイ キャセロール』は、他社製よりも半分の約2ミリという薄型で、重さも2キロ台の軽量モデル。重たくてめったに使えないというイメージだったホーロー鍋が、普段使いできるようになったと喜んでいただいています」

■ものづくりの街の横のつながりで製品開発に成功

 同社が「ユニロイ キャセロール」を開発したきっかけとなったのは、08年のリーマンショック。それまで年間12億円規模だった売上が半減し、企業存続の危機に立たされていた。そんなとき、キッチンウェアのあるブランドから、軽量・薄型のフライパンの開発依頼が舞い込んだ。鋳型と呼ばれるものに溶かした金属を流し込み、鉄をさまざまな形へと加工する鋳物で、薄く加工することに実績のあった同社の技術力が評価されての依頼である。

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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