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▼マニュアル化の徹底がもたらす「ブランドとしての成功」と「社内環境の向上」
▼狭小店舗など限定的な条件には、特化した販売戦略をもつ


 シンガポール企業における生産性向上の取り組みを支援しているシンガポール生産性本部では、2組の視察団を日本に派遣、小売業や飲食業におけるベストプラクティスを学ぶツアーを行った。HANJO HANJOでは、日本生産性本部の協力のもと行われた今回のツアーを同行取材、特集最終回は、プログラムを総括するワークショップからの報告をお届けする。シンガポールは日本企業のどんなビジネス施策にベストを見出したのか?

■マニュアルの徹底でブランド像を明確化

 まず、多くの参加者が「課題解決の参考になった」と口を揃えるのが、ツアー3日目に講義を受けた「無印良品」の“店舗用マニュアル”の「MUJIGRAM(ムジグラム)」だ。接客から売り場設計、発注方法といった、無印良品の店舗運営に関するやり方を業務ごとに詳述した膨大なマニュアルである。総ページ数は2000ページに及ぶという。

 参加者の一人John Hong Koh氏は、マニュアル化の徹底が“ブランドとしての成功”に繋がっていることを指摘した。

「『従業員がコミットしていること』と『従業員の経験をマニュアルに残していくこと』の重要性を学んだ。仕事のオペレーションだけでなく、製品のデザインや原材料まで社内全体で共有することで、ブランドとして顧客の感情に訴えかけることができているのでは」

 一方、Saowarin Chanprakaisi氏も、「マニュアルを共有することで、会社全体がオープンになっていると感じた。トップから従業員までが楽しく働くことに貢献している」と話している。参加者に大きな印象を与えた「MUJIGRAM」。無印良品における社内全体でのマニュアル共有は、日本の小規模チェーン店などが模倣しても効果が期待できるのではないか。社内環境の改善という意味においては、業種も問わないだろう。

 「製品の材料を選ぶことの重要性を感じた」と語るのはSean Koh氏。無印良品の優れたポイントとして、付加価値のあり方を見出した。「素材を厳選するとコストが上がってしまうものだが、一方では大きな付加価値を与えることができる。結果として合理的な価格になっている」と同社の製品に対する姿勢を評価している。こうした情報をマニュアルとして共有することは、ブランド力やスタッフのモチベーションにも繋がっているはずだ。

《HANJO HANJO編集部》

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