~ポストものづくり時代:2~“山間辺地へ通勤”に将来性あり 画像 ~ポストものづくり時代:2~“山間辺地へ通勤”に将来性あり

IT業務効率

【記事のポイント】
▼人口減少時代だからこそ、過疎対策には次善策が必要
▼過疎緩和のための集落移転の満足度、実は高かった!
▼「元の集落へ通勤して野菜作」というスタイルに活路あり


■過疎対策は次善策を含む取り組みを

 農林業は、自然の恵みを資源としたものづくりの代表といってよい。その歴史は古く、全国津々浦々で営まれ、山間辺地にも多くの集落が形成された。

 だが、時代は大きく変わった。今やそれだけで十分な所得を得ている人は少数派。年金暮らしの高齢者はさておき、若手にとって仕事不足は深刻な問題だ。山間辺地では若者の流出、それに伴う過疎化、高齢化が特に厳しい。そのような集落では、高齢者世帯が自給用にほそぼそと田畑を耕すだけ、という状況も珍しくない。

 高度経済成長期の生産手法が通用しなくなり、経済活動に新たな視点--ポストものづくりを追求する中では、そのような山間辺地の農林業にも視野を広げなければならない。そこでヒントとなるのは、光文社から発行された書籍『地域再生の失敗学』だ。

「『活性化か消滅か』ではない選択肢を」「ゆるキャラとB級グルメは無駄」「ここにしかない魅力を徹底的に磨け!」「『人口減』前提のプランを立てよ」といった斬新な文句が踊る同書は、2016年4月19日の発売からわずか1週間で増刷されたほどの注目を集めている。共著に名を連ねる、東京大学大学院農学生命科学研究科の林直樹特任准教授は、「厳しい現実を直視した過疎対策」に関するスペシャリストだ。

 林氏は、「地域再生失敗の原因は、現状維持以外の青写真を排除したことに集約できる」とし、「現状維持以外は議論することすら許されない、といった硬直した雰囲気が逆に地域の寿命を縮めている」という。

 とはいえ、林氏は現状維持自体を否定しているのではない。「現状が維持できるならそれが理想的。ですが、それが難しい集落も決して少数ではありません。念のため、現状維持ができない場合の次善策(セーフティーネット)を準備しておく必要がある。ただ、それだけのことです」という。

 経済が成長し、国全体の人口が増加している時代ならまだしも、経済が低迷し、人口減少時代に突入したいまこそ、次善策が強く求められているというわけだ。

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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