改正港湾法が施行、洋上風力発電に追い風! 画像 改正港湾法が施行、洋上風力発電に追い風!

制度・ビジネスチャンス

 改正港湾法が1日に施行された。最大の柱は、地方自治体が管理する港湾区域で洋上風力発電事業の普及を図る「占用公募制度」の創設。公募によってより優れた技術と意欲を持つ事業者に許可を与えるとともに、占用許可期間の延長も可能にする。新制度第1号として8月にも公募を始める北九州港(北九州市)を皮切りに、全国各地の港湾区域で洋上風力発電事業が加速しそうだ。
 港湾区域の占用公募制度は洋上風力発電事業者を選定する新たな手続き手法の一つとして導入される。従来は発電事業を希望する事業者から占用許可申請があれば、港湾区域を管理する自治体が事業者の適性を判断してその都度、占用許可を与えてきた。許可期間は道路など他のインフラ施設の占用許可制度を参考に原則として最長10年となっている。
 国土交通省は、公平性と透明性のある公募制度を導入すれば、より優れた技術やコストの縮減に意欲的な事業者に許可を与えることができると判断した。
 併せて、事業者の参入意欲を高めるため、占用許可期間の延長を認める。事業者は発電設備を設置する水域の占用計画(最長20年)を作成。これが自治体に認められれば、占用許可期間を従来の原則10年から延ばせるようになる。
 占用許可期間が従来の10年では、事前の手続きや設備の設置などに必要な期間を差し引くと運転と売電に専念できる期間が短くなり、事業採算が取りにくかった。
 国交省は、占用公募制度の円滑な運用と洋上風力発電事業の案件形成に向けた支援態勢づくりを着々と進めている。
 その一つが、改正法施行と同時に決定した占用公募制度の運用指針。自治体が占用事業者を評価・選定する際に、事業・資金計画の妥当性といった重視すべきポイントを盛り込んでおり、1日付で自治体に通知した。
 発電事業者向けの技術支援にも力を入れている。昨年3月に「港湾における洋上風力発電施設等の技術ガイドライン(案)」をまとめ、安全対策として確保すべき港湾施設との離隔距離などについて解説している。
 今年5月には、日本建設業連合会(日建連)や日本埋立浚渫協会(埋浚協)など建設関連団体を含む産学官10団体でつくる「洋上風力発電導入円滑化技術研究会」が発足した。オブザーバーとして名を連ねる国交省港湾局の担当者は「占用公募制度の円滑な運用に向けて自治体や発電事業者の力になってほしい」と話す。研究会での活動は、建設会社が港湾洋上風力発電事業に主体となって参画する際の足掛かりにもなりそうだ。
 当面は、北九州港(導入計画60基〈1基当たり出力5メガワット換算〉)をはじめ、北海道稚内市が管理する稚内港(2基)や静岡県が管理する御前崎港(10基)の各港湾区域で占用公募制度を活用した洋上風力発電事業が計画されている。山形県が管理する酒田港での導入も検討されている。
 港湾区域の洋上風力発電事業は、陸上より強い風が安定して吹くメリットがあり、事業採算を見込みやすい。沖合の洋上風力発電に比べると設備が災害に遭うリスクが低く、送電コストを抑えられるメリットもある。

改正港湾法が施行/洋上風力発電、占用公募制度に追い風期待/運転期間延長も可能に

《日刊建設工業新聞》

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