アパグループ、「新都市型ホテル」世界展開へ。用地厳選で勝つ! 画像 アパグループ、「新都市型ホテル」世界展開へ。用地厳選で勝つ!

インバウンド・地域活性

 ◇「新都市型ホテル」世界展開へ
 東京都心を中心にハイペースでホテルを出店し、快進撃を続けるアパグループ。15年度にスタートした中期5カ年計画「SUMIT5-ii(第2次頂上戦略)」では、提携ホテルを含めた総客室数(建築・計画中含む)を19年度までに10万室とする目標を設定した。今後も積極的な開発を進めることに変わりはないが、梅田浩司常務はホテル事業を取り巻く環境は急変していると指摘。「土地価格も建築費も高くなり、世界経済の先行きも読みにくい。今後の投資に関しては締めてかかる必要がある」と慎重な姿勢を示す。
 --事業の現状は。
 「2008年のリーマンショック後、多くのデベロッパーが苦境に立たされたが、われわれは地価下落をむしろチャンスと捉え、10年4月からの5カ年計画で東京都心3区(中央、港、千代田)を中心にホテル開発を集中的に進めた。だが、東京五輪が決まったころから地価・建築費が上昇し、それまでのように高利回りの施設を建てられる状況ではなくなった」
 --今後の事業展開の方向性は。
 「ホテルの出店ラッシュが続いている。その証拠に、用地取得の際の競争相手が、マンションやオフィスの開発事業者からホテル事業者へと変わってきている。価格競争も激しくなっているため、これまで以上に投資基準を厳正化し、より厳選して土地を仕入れていく方針に転換している。例えば、都心では一等地から少し外れた土地などを狙っている。そういう土地を開発することがデベロッパーの妙味だと考えている」
 「地方中核都市への進出も視野に入れている。千葉県の幕張新都心にある『アパホテル&リゾート東京ベイ幕張』は1500室超の大型施設だが、高稼働率を維持している。こうした実績を通じ、大型ホテルの運営ノウハウがたまってきた。これからは安心して大型ホテルの開発に移行することができそうだ」
 --アパホテルの建物が高収益を生む理由は。
 「創業の初期からビジネスホテルでもなくシティーホテルでもない『新都市型ホテル』と言い続けている。かつては銀行や設計事務所から『こんなホテルでは駄目だ』と言われたこともあったと聞いている。だが、時代を見据え、さらには宿泊客の心を読み取ることで、多くの方々に支持されるホテルを作り上げた」
 「こだわっているのは『効率』。工事の効率、部屋の効率、従業員の効率、すべての効率を高めるような造りになっている。ロビーや内部のしつらえは海外からの宿泊客の支持も高い。インバウンド(訪日外国人旅行者)の割合は増えており、東京・新宿の『アパホテル新宿歌舞伎町タワー』では70%に達している。今後は都心だけでなく、地方中核都市でも高まってくるだろう」
 --建築費の高止まりにはどう対処する。
 「東京五輪が迫り、ゼネコンへの発注は難しくなるだろう。連帯感があるゼネコンを大事にしながら乗り越えたい。われわれもなるべく早く情報を出しながら、ゼネコン側が仕事を引き受けやすいような状況をつくっていきたい」
 --今後の課題、展望は。
 「現時点のホテル業界は好調だが、今後は新規参入も増えて供給過多になるだろう。オーナー(元谷外志雄代表)は、これからは『一強全弱』の時代と言っている。できるだけ早く断トツの日本一になることが顧客をつかむ近道だ」
 「6月には米ニューヨーク郊外に『APA HOTEL WOODBRIDGE』が開業した。現地企業からフランチャイズの熱烈なオファーがあった。米国の並み居るホテルブランドではなく、われわれのノウハウを欲しがってくれたことに価値がある。アパの新都市型ホテルが将来、世界でもスタンダードとなるようにしたい」。
 (うめだ・こうじ)(随時掲載します)

おもてなし-拡大するホテル市場・6/アパグループ・梅田浩司常務/用地厳選で勝つ

《日刊建設工業新聞》

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