【Sakeの海外戦略:1】世界に広がる日本酒、注目のマーケットは? 画像 【Sakeの海外戦略:1】世界に広がる日本酒、注目のマーケットは?

海外進出

【記事のポイント】
▼アメリカの一部の州やベトナムに新たなマーケットが
▼海外マーケットの主役銘柄は、高くても一升3000円
▼アメリカでは生もとや濁り酒など個性的な酒がトレンド


■近年における最大の日本酒マーケットはアメリカ

 原材料の生産から加工までを国内で実施していることから、重点品目として国の輸出拡大方針の対象に。海外における日本食レストランの増加もあって、ここ数年で急速に輸出量を増やしているのが日本酒だ。農林水産省発表の輸出実績によると、15年には売上にして前年比21.8%の伸びを見せており、輸出先シェアの1位はアメリカの29%。以下、香港の16%、韓国の10%と続いている。

 日本酒輸出協会会長でジェトロ所属の輸出専門家「新輸出大国エキスパート」でもある松崎晴雄氏によると、日本酒の輸出量が目立って伸びたのは、アメリカがシェア1位になってからのこと。以降は二桁パーセントの成長率が続いている。

 では、アメリカというマーケットには成長性、ひいては新規参入の余地は残されているのだろうか? これについて、松崎氏は「アメリカはまだまだ発展途上のマーケット」だと話している。海外における日本酒の卸し先は主に日本食レストランとなるが、全50州の中には、その普及が進んでいないエリアもあるとのことだ。

「アルコールへの規制が厳しかったり、税金が高かったりと、輸出における条件は州によって大きく異なります。国全体ではなく州や都市で見なければ、アメリカというマーケットの本質は分かりません」

 一方、香港はマーケットの規模が小さいため、既に市場は飽和状態に近い。韓国は8年ぐらい前から需要が一基に伸びたが、中小の酒蔵が既に先行して輸出に取り組んでおり、かなりの激戦区とのこと。また、アジア圏の有望なマーケットとしては台湾が有名だが、関税の高さがネックになっている。

 とはいえ、アジア圏は距離の近さから輸送コストが下がり、並行輸入に寛容で認知が広がりやすい。ぜひとも、押さえておきたいマーケットではある。そこで、松崎氏が今後の輸出先として注目しているのがベトナムだ。親日で、米食の風習があって、かつてフランスの植民地だったことから食文化が洗練されている。近年では日本企業の進出が相次いだこともあって、日本食レストランも増えているようだ。こうした背景から同国における日本酒の輸出量は、ここ数年で高い伸びを見せているという。

「とはいえ、関税などの影響もあって、ベトナムでは値付けが日本の3倍ぐらいまで上がります。中間層では手を出しにくい価格帯なので、高級な日本酒レストランを利用する富裕層が主なターゲットになるのではないでしょうか」

 ベトナムで主に出回っている日本酒は、一升瓶にして価格は日本円で2000円から2500円ぐらいの銘柄が中心だ。それでもベトナムの末端価格では高価な部類に入る。そこで気になるのが、大衆的な日本食レストランで提供されている日本酒。これについては、地元の酒造メーカーが現地生産した日本酒が多く広まっているようだ。値段が圧倒的に安いため、日本輸出の酒とは住みわけができている。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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