アジサイが人気、“梅雨だけ”脱却! 画像 アジサイが人気、“梅雨だけ”脱却!

制度・ビジネスチャンス

 アジサイを切り花として売り込む生花店が増えている。色合いの豊富さや大きな輪が映えると、ブーケに多用。婚礼の装飾に年間通じて人気があるなど“梅雨時期の花”のイメージから抜け出てきた。周年産地も現れている。東京市場での売上高は、この5年で2.3倍に膨れ上がる。近年、大輪の花として注目されたダリア以降、成長品目が出ていなかっただけに、花き業界として大きな期待を寄せている。

 青山フラワーマーケット南青山本店(東京都港区)は、色や形の違ったアジサイを約10品種販売する。産地は群馬、東京の他、オランダ産など輸入物も多い。価格は486~2160円と幅広い。万華鏡のような色合いのアンティークMIX(1080円)が人気。入荷本数は6月中旬までで前年を8%上回る。

 同店を運営するパーク・コーポレーションでは2011年ごろから、切り花のアジサイに注目。「国産の出回りが多い時期はブーケはもちろん、1本だけの購買も目立ち、今後はさらに需要が伸びる」と話す。

 フルールカレンなどを展開する東光フローラは6月2週目に全店でアジサイフェアを開催した。1本280円(税別)で青、紫、ピンク色のアジサイを販売し、幅広い年齢層から好評だった。同社は「雨の日が多く購買意欲が下がる時期を逆手にとって、店頭に目を向けてもらう商材としてはぴったりだ」と話す。

 第一園芸は店頭での取扱量が前年同時期に比べ2倍に伸びた。目立った物日がない5月2週目から7月上旬まで、1本1200~3000円で売り込む。30~50歳の女性が購買層の中心だ。同社の広報は「シャクヤクの出荷は5月末ごろまでと短く、ダリアは日持ちが心配になる。6、7月はそれらの花に代わる需要が期待できる」という。

 人気は婚礼にも広がる。首都圏を中心に14店舗を展開する「レ ミルフォイユ ドゥ リベルテ」には、婚礼で卓上に飾る花として注文が多く入る。1回の結婚式で使う本数は30~40本。

 周年出回るため、「1年間通じて、安定して使える花材になったことも人気を支える要因の一つ」と指摘。「ダリアやバラとの相性も良く使いやすい花なので、これからも需要は増える」と同社は話す。

 東京都中央卸売市場では年々、売上高が増えている。15年の販売価格は4億3000万円と11年の2.3倍。販売量は1.5倍の61万本だった。6割は6~10月に出回るが、卸売会社は「周年出荷が安定してきたため、使い方は多様化している」とみる。

 アジサイの主力産地の一つ群馬県のJA利根沼田は今後、増産する構えだ。主力の「アナベル」や秋色アジサイの「水無月」などを中心に5種類を栽培。今年は11万本の生産を計画し、13年比で41%増える見込みだ。「年々、需要は広がっており、今後も生産を拡大していく」と話す。(丸草慶人)

“梅雨だけ”脱却 アジサイ切り花に 東京市場売り上げ5年で2.3倍

《日本農業新聞「e農net」》

編集部おすすめの記事

特集

制度・ビジネスチャンス アクセスランキング

  1. 「中小企業の《経営論》」第17回:社員が辞めていってしまう社長が一生懸命に変えたこと

    「中小企業の《経営論》」第17回:社員が辞めていってしまう社長が一生懸命に変えたこと

  2. ~外国人技能実習生:3~中国とベトナムの実習生最新事情

    ~外国人技能実習生:3~中国とベトナムの実習生最新事情

  3. 道路舗装大手7社の16年4~9月期決算。増収2社、営業増益2社

    道路舗装大手7社の16年4~9月期決算。増収2社、営業増益2社

  4. どうなる?環状第2号線/豊洲移転・築地再開発への疑問やまず

  5. 空調大手4社/17年4~9月期決算/全社が増収営業増益、ビル空調受注が減少傾向

  6. 利は仕入れにあり

  7. 若者の米離れ、週1回以上は21%、「食べない」は何%?

  8. ユニーク社長のロングトーク/Casa 宮地正剛さん Vol.4(最終回)

  9. 野村不動産、東芝青梅事業所跡開発/売却額は100億円

  10. 主要ゼネコン26社/17年3月期決算/最高益更新相次ぐ、全社が増収見込む

アクセスランキングをもっと見る

page top