建設現場の熱中症予防、厚労省が異例の前倒し要請! 画像 建設現場の熱中症予防、厚労省が異例の前倒し要請!

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 建設現場で働く作業員の熱中症災害が1年で最も懸念される夏が本格的に到来する。気象庁は今夏が平年よりも厳しい暑さになると予想。厚生労働者は熱中症予防対策の重点業種に建設業を指定し、今年2月には例年より大幅に前倒しして関係団体に十分な対策とその準備期間を確保するよう通知している。ここ数年来、建設業界でも熱中症の恐さは広く浸透してきたが、今夏は受発注者とも例年以上に万全の対策を講じて予防に臨む必要がありそうだ。
 厚労省が5月にまとめた15年の全産業別の熱中症死傷者数を見ると、建設業就業者は113人(前年比31人減)で、全産業(464人)の約4分の1を占め、最も多かった。主な要因として、十分な対策準備期間が確保されていないことや、作業中の水分・塩分摂取が作業員任せになっていたことなどが挙げられている。15年は過去5年で最も少ない死傷者数だったが、「依然として大変に高い水準」と労働基準局安全衛生部労働衛生課の担当者は指摘する。
 気象庁が24日に発表した7~9月の見通しでは、全国的に暖かい空気に覆われやすく、特に西日本と沖縄・奄美地方は厳しい暑さになるとみている。7~9月の平均気温が平年を上回る確率は、西日本で60%、沖縄・奄美で70%、東日本で50%、北日本で40%としている。
 厚労省は、例年なら5月ごろに行う日本建設業連合会(日建連)など関係団体への対策の呼び掛けを2月と異例の前倒しで行った。最大の狙いは、作業員への注意喚起や教育を行う十分な準備時間の確保。現場監督らに毎年参考として配っている予防対策講習のカリキュラムや科目の時間割も細分化した。
 併せて、今夏の対策でポイントに挙げるのが、休憩時間や作業後の帰宅途中または帰宅後の過ごし方。15年に起きた建設業関係の熱中症災害は、これらのいずれかのタイミングで起きたケースが多いという。休憩中に発症して死亡するケースもあり、救急措置を会員に周知している業界団体もある。同省の担当者は「熱中症は自覚症状が出にくい。体調にわずかでも変化を感じたら、しばらく様子を見るのではなく、すぐに病院に行ってもらいたい」と強調する。
 今年は、厚労省の呼び掛けを受けた業界の率先した反応や行動も目立つ。全国で労災防止活動の推進を図る7月1~7日の「全国安全週間」を前に、6月に集中して開かれた建設各社の安全大会では、墜落・転落災害の防止とともに「ウオータータイムを導入して積極的な水分補給を指導する」「無理しないことを肝に銘じてほしい」など熱中症対策の徹底を求める幹部の発言が目立った。
 熱中症に対しては正しい知識と適切な予防策、応急措置が欠かせない。作業員の自己管理とともに企業の予防・対策措置が求められ、昨夏に続いて経口補水液を完備してエアコンも効いた休憩用の「熱中症対策ルーム」の設置や、保冷剤や送風機を併用・装着した作業服の着用などの対策に取り組むゼネコンも増えている。
 ゼネコンの安全担当者は「熱中症は関東以西の地域では危険性が理解されて予防意識も高いが、逆に東北、北海道などで注意しなければならない」と話している。
 □厳しい暑さの原因は?□
 気象庁によると、今夏は太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低い状態が続く「ラニーニャ現象」が、10年夏~11年春以来発生すると予測されている。日本を含め世界中の異常気象を引き起こす原因の一つとみられている。ラニーニャ現象の影響で、7~9月の日本列島は沖縄・奄美や西日本を中心に太平洋高気圧に覆われやすく、平均気温も全国的に例年より高くなる可能性が高いという。

厚労省/熱中症予防に万全を、異例の前倒し要請/休憩中や帰宅中・後も注意

《日刊建設工業新聞》

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