国交省、木材利用の官庁施設整備で留意事項案 画像 国交省、木材利用の官庁施設整備で留意事項案

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 国土交通省が木材を利用する官庁施設の計画・設計や工事といった各段階に対応して作成を進めてきた技術基準類に、保全の視点から留意すべき事項を集約した技術資料が加わった。15年度に有識者会議を設けて検討した中間成果を「木材を利用した官庁施設の適正な保全に資する整備のための留意事項(案)」として5月に公表した。16年度は経済性を確保する視点で追記事項を検討し、成案にまとめる。地方自治体が管理する施設での活用も促すという。
 公共建築物等木材利用促進法(10年10月施行)に基づき国交省は、自ら率先して公共建築物の整備で木材利用に努めてきたほか、木材利用に関する具体的な事例などを提供する一環で各種基準類の整備を進めている。
 これまで、木造の官庁施設の設計で技術的事項や標準的手法を規定した木造計画・設計基準を11年5月に制定したのを皮切りに、各段階の基準や指針、事例集などの制定・作成を進めてきた。順次出来上がった資料を各省庁や自治体に伝え、ホームページにも掲載して広く周知を図ってきた。
 一連の基準類整備の中で、保全に着目した資料として今回公表した留意事項(案)は、15年度に発足した「木材を利用した官庁施設の保全等に関する検討会」(座長・中島正夫関東学院大学教授)が検討。木材を利用した建築物の耐久性や保全性を確保するため、木造計画・設計基準といった既存の基準に加えて留意すべき事項を示した。
 検討に当たり国交省は、自治体に木造建築物の保全に関するアンケートを実施。76施設から寄せられた回答の中から、不具合や修繕の事例が多い施設や、逆に設計・施工時の工夫で不具合や修繕が少ない施設など16件を抽出して現地調査を行ったほか、関係33団体へのヒアリングで把握した各部位の修繕周期や点検・清掃方法などを内容に反映させた。
 具体例として、外壁、開口部で想定される腐朽、汚れ、変色といった現象に対しては、地域によって頻度の高い風向を考慮した建物配置を計画したり、雪や雨が外壁や開口部にできるだけ接触しないように、囲障、植栽、開口部の位置・仕様を検討したりするとした。留意事項は本編のほか、不具合の全国分布や発生要因の詳しい情報を集約した資料編も作成した。
 これらの情報によって、木造建築の経験が少ない設計者や維持管理者にも、長期間にわたり良好な状態を保つ設計手法や維持管理手法の理解を促す。留意事項(案)に加え、施設担当者の参考となるよう「建築物等の利用に関する説明書」作成の手引・作成例(木造版)も9月をめどに公表する予定だ。

国交省/木材利用の官庁施設整備で留意事項案提示/保全の視点で技術資料追加

《日刊建設工業新聞》

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