15年産米の売価設定、弱気のまま。スーパーは販売減を警戒! 画像 15年産米の売価設定、弱気のまま。スーパーは販売減を警戒!

制度・ビジネスチャンス

 2015年産米の販売が終盤に差し掛かっても、スーパーの売価設定は弱気のままだ。14年産と比べた上げ幅は5%以内が中心で、産地が出荷価格を1、2割引き上げたのと比べ、低調にとどまる。値上げして売れ行きに影響が出るのを心配しているためだ。産地側の需給改善の努力が、小売り段階にまで届いていない実態がある。店頭販売の現状を追った。
 秋田「あきたこまち」1480円、北海道「ふっくりんこ」1485円、宮城「つや姫」1580円・・・。6月12日の週末に向けた販促ちらしが、この数日前、一斉にスーパーのホームページなどに公表された。いずれも5キロ当たりの特売価格(税別)だ。直近で公表された銘柄別の小売価格(米穀機構調べ)より2割近く安い商品も散見される。

 東京都板橋区にあるスーパーは、山形「はえぬき」を5キロ1480円で販売した。特別フェアで、他の食品や生活用品などで使える共通ポイント50円を購入者に付与。実質、米の価格は1430円だ。大田区のスーパーは宮城「ひとめぼれ」を1480円で販売。複数の銘柄が置かれる中、この商品を購入する客が目立った。

 産地と卸の間の相対価格平均は、新米に切り替わる前の昨年8月時点の14年産と比べ、現在11%高い。一方、小売価格の平均は同期比で4%高にとどまる。秋口に上げたが、それ以降は足踏み状態が続く。

 秋田「あきたこまち」5キロの特売価格を1680円(税別)に設定するいなげや(東京都立川市)。昨年10月に3%上げ、半年後も、その価格を保つ。米の販売は大半が特売時に進むため、「セール価格を上げて利益を確保したいが、販売量の維持を重視した」と話す。定番価格は前年産から据え置いている。

 エコス(東京都昭島市)も、秋田「あきたこまち」などを1月に5キロ当たり約100円上げ、現在も価格を変えていない。「収益確保へ、単価をさらに上げたいのが本音」だが、年明けの値上げ時に販売数量が1割近く落ち込んだことから、慎重になっているという。実質値下げに当たるポイント還元などを強化し、購買意欲を引き出そうと努める。

 米卸は現在、スーパーへ値上げ交渉を続けているが、「応じる気配は薄い」(東日本の米卸)。中には「売価を抑えるため、新たなブレンド米商品の提案を求める動きがある」(別の大手米卸)という。

 マルエツ(東京都豊島区)は、「次の出来秋に値上げに踏み切り、上げ幅は競合他社の動向をにらんで決める」とする。

 16年産は、産地が前年以上に飼料用米を増産し、主食用米の需給が一層締まる可能性が高いことから早くも先高感が出ている。ただ、小売りの慎重な売価設定を不安視する産地も出てきている。(宗和知克)

15年産米 売価設定 終盤も弱気 スーパー 販売減を警戒

《日本農業新聞「e農net」》

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