五輪選手村ビレッジプラザ、木造化で環境重視! 画像 五輪選手村ビレッジプラザ、木造化で環境重視!

インバウンド・地域活性

 日本建築士会連合会(士会連合会、三井所清典会長)は、2020年東京五輪の選手村(東京・晴海)に整備する選手やその家族の憩いの場となる仮設施設「ビレッジプラザ」の木造化を求める提言をまとめた。木材を積極的に採用する新国立競技場や他の競技施設のデザインコンセプトと足並みをそろえ、日本古来の木の文化を世界に発信するとともに、地球環境重視の運営を国内外にアピールできると強調。五輪後は解体して全国に移設し、レガシー(遺産)を伝えることにも一役買うとした。
 20日に東京都内で記者会見した三井所会長は「13日に遠藤利明五輪担当相、15日に仮設施設を発注する東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に提言を提出した。環境問題に取り組む日本の先進性をアピールでき、日本的もてなしにもつながる。検討の素材としてほしい」と述べた。
 ビレッジプラザは、選手村の西端が計画地で、選手やその家族の生活を支える各種店舗やサービス施設を配置。日本の伝統的な建築様式を取り入れた円形劇場も整備し、大会期間中はさまざまな催しが行われる。
 提言では、ビレッジプラザで2案、大会を支える小型仮設建築で提案を行っている。
 ビレッジプラザの「提案1」は、集成材の柱・梁とCLT(直交集成板)耐力壁を組み合わせた9メートル×9メートルスパンのラーメン架構の2階建てのA棟とB棟をL字形に配置。両棟を廊下(J棟)で結び、全棟にCLT折板の大屋根を架ける。中庭側にCLT折板によるドーム型円形劇場を配した。施設は延べ4000平方メートル程度の規模で、坪単価は90万円と想定している。
 「提案2」は、製材の柱・梁とCLT耐力壁を組み合わせた間口3・6メートル、奥行き2・4メートル、高さ3メートルのユニットを並べて構造コアを形成し、CLTの2階床とテント屋根(膜構造)を架ける。
 施工に当たっては、伝統を踏襲した技術だけでなく、CLT折板構造や、CLTボックスコアによる中規模木造架構などの先進的な技術を採用。木造建築の普及を見据え、流通する国産スギ材を使って住宅用構造金物で接合する汎用性が高く、転用が容易な木架構を適用する。
 大会終了後の再利用を見据え、建物全体を移築する「建設リース型」、ユニットに分割して各地に移築する「ユニット提供型」、部材に分解して各地で再利用する「部材提供型」の三つの考え方も提示。再利用によって仮設建築費の低減を目指すとしている。
 小型仮設建築の木造化では、47都道府県から地域木材でつくった木造応急仮設住宅ユニットの提供を受け、案内所、休憩所、バス停、駐輪場、救護施設などに利用する。住宅ユニットは47都道府県に備蓄し、大規模地震時の仮設住宅に提供する仕組みづくりを前提としている。規格されたフレームユニット(6、9、12坪の3タイプ)を用意し、1ユニットの価格は250万~300万円と試算している。

建築士会連合会/五輪選手村ビレッジプラザの木造化を提言/環境重視を世界にアピール

《日刊建設工業新聞》

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