担い手と生産性は両輪というよりも同じ! 画像 担い手と生産性は両輪というよりも同じ!

制度・ビジネスチャンス

 ◇休日確保へ双方の覚悟必要
 16年度の意見交換会から会合の進行役を務めた日本建設業連合会(日建連)の小原好一土木本部副本部長は、「担い手と生産性は両輪というよりも同じ」との認識で臨んだという。
 生産性の向上は、工程上の余裕と、技能者の処遇改善の原資となる利益を現場にもたらす。生産性を高めても他産業との人材獲得競争に敗れれば建設現場は行き詰まる。生産性向上と担い手確保は不可分というのが日建連の立場だ。「4週8休(週休2日)には適切な工期の設定と的確な工程管理が必要。工程情報を開示してほしい」。小原副本部長は訴え続けた。
 日建連の調査によると、会員企業が施工した工事で工期が延長された工事は60%。3カ月以上の延長が68%を占める。延長理由は「追加工事の発生と関連工事への協力」が最多。関係機関協議や用地交渉など工事の「条件明示」が不十分との指摘が多い。
 あるトンネル工事を例に実際の工程と類推した積算工程を比較すると、準備期間と後片付けの期間にそれぞれ2カ月、1カ月もの差があった。工期は延長されず、現場は休日を圧縮して掘削工を月25日(類推は21日)のペースで25カ月実施した。積算工程の情報は乏しく、準備と後片付けの期間は具体的な記載が特記仕様書にないケースもある。
 日建連は、工程情報を受発注者が共有し、工期を順守した九州地方整備局発注の鶴田ダム関連工事(鹿児島県さつま町)などの事例を紹介しつつ、「担い手確保に4週8休は避けられない」(小原副本部長)、「工期延長は発注者に起因するものが多い」(土屋幸三郎公共積算委員長)と強い姿勢で対応を求めた。
 発注機関は、週休2日に関し、着工前の準備期間も想定した新たなモデル工事の試行や、試行件数・工種の拡大などを表明。インセンティブとして入札時の優遇と工事成績への加点のどちらを望むかを問う場面もあり、小原副本部長は「ありがたかった」という。
 週休2日の実現を左右する工期・工程について、日建連は国土交通省との意見交換会フォローアップ会議で引き続き協議したい考えだ。災害復旧や供用開始日が決まった施設の工事などでは現場の稼働日を多くしなければならない。日給制技能者への配慮も必要だ。複数の地区の会合では、技能者が7日分の報酬を5日で得る手段について、発注者側は企業の自助努力に期待。日建連は工事代金の引き上げを遠回しに求め、議論が平行線に終わる場面もあった。
 「発注者は工期を延ばし予定価格を上げる。受注者は生産性を高めて工程を緩め、コストダウンの効果を技能者に還元するのが王道」。会合に出たあるゼネコンの首脳は「理想論」と前置きしつつ週休2日の実現方策をそう語る。建設業の休日を増やすための税金投入に納税者の理解は得にくい。価格や工期のダンピングが横行すれば生産性向上の効果は吹き飛び、週休2日は遠のく。
 「受発注者のコミュニケーションは良くなっている」(宮本洋一日建連土木本部長)。技術者と技能者という建設生産の担い手のために、休日確保に対するもう一段の覚悟が受発注者双方に求められている。

日建連意見交換会を振り返る・中/生産性向上と担い手確保不可分

《日刊建設工業新聞》

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