卸売会社と海外バイヤー、輸出増へ直接取引。農水省が規制緩和 画像 卸売会社と海外バイヤー、輸出増へ直接取引。農水省が規制緩和

制度・ビジネスチャンス

 農水省は、卸売市場の集荷力を輸出拡大に生かす一環で、仲卸と買参人しか取引できない規制を緩和し、卸売会社と海外バイヤーの直接取引を認める。バイヤーの農産物の安定調達や仕入れの簡略化につなげ、輸出に弾みをつけたい考え。産地は既存の流通ルートを活用し、海外に販路を増やすことができる。直接取引を始めるには、市場開設者である自治体の承認が必要で、取り組みが広がるか不透明さもある。

 農林水産物の輸出拡大に向け、同省は卸売市場の機能を重視する。周年で集荷し、供給力に優れるからだ。昨年は千葉県成田市が成田市場で産地証明書などを発行できるようにし、成田空港に近い立地を生かして輸出に本腰を入れ始めた。

 同省は、市場機能をより発揮するため、2016年度から中央卸売市場の卸と海外バイヤーの直接取引に道を開いた。卸売市場法では原則、卸は仲卸と買参人との取引しか認めておらず、新たな販路を認めるのは異例の対応だ。

 海外バイヤーが仲卸から調達する従来の販売では、仲卸ごとに取扱品目が異なることから、複数の仕入れ先を確保する必要があった。卸との直接取引を認めることで、海外バイヤーは仕入れを簡略化できるメリットがある。同省は「卸は欠品が起きても、他の産地で対応ができる。輸出に求められるロットの確保が見込みやすい」(食品流通課)とみる。

 産地は、輸出先国の残留農薬規制などに合わせた生産が必要になるが、既存の市場への販路を活用できる。小規模な農業者でも、JAの共販を通じて輸出に取り組みやすくなる。

 卸が海外バイヤーと直接取引するには、開設者の承認が必要。それには条例の改正が必要で、6月上旬現在で1件も認められていない。卸が輸出を直接手掛けることで、品薄時に国内向けの供給に影響が出る可能性もある。

 同省は「あくまでも国内の販売が優先」(同)とし、開設者に理解を求めていく考えだ。(山﨑崇正)

卸売会社と海外バイヤー 輸出増へ直接取引 農水省が規制緩和

《日本農業新聞》

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