主要ゼネコン、17年3月期のコスト上昇を懸念 画像 主要ゼネコン、17年3月期のコスト上昇を懸念

制度・ビジネスチャンス

 主要ゼネコン各社で工事採算の改善傾向が顕著になっている。日刊建設工業新聞社が16年3月期決算のアンケートを実施した結果、売り上げ計上した工事の採算を示す完成工事総利益(粗利益)率(単体ベース)は、回答した25社のうち24社が前期より改善。前期は3社だった2桁の企業も10社に増加した。ただ17年3月期の粗利益率は、労務や資機材のひっ迫などによる建設コスト上昇への懸念が強く、回答があった22社中15社が前期を下回ると予想している。 25社の16年3月期の粗利益率は、単純平均で10・0%と前期より2・9ポイント上昇。うち建築は同3・9ポイント上昇の9・3%、土木は同2・4ポイント上昇の10・8%となった。回復が先行していた土木に続き、建築の不採算工事の消化が進行し、さらに受注環境の好転で選別受注が進んだことも奏功したとみられる。 各社の粗利益率を見ると、一部大型工事の採算悪化が影響した鉄建を除く24社が前期より改善した。最も高い長谷工コーポレーションが15・2%で、14・1%の東鉄工業、11・8%のフジタとともに前期に続き2桁を維持。大成建設(12・0%)や鹿島(11・9%)など7社が2桁に乗せた。前期との比較では鹿島(11・1ポイント上昇)、大林組(5・5ポイント上昇)、大成建設(4・5ポイント上昇)などで改善幅が大きかった。 「不採算工事が一巡した」(準大手ゼネコン)との声が多かった建築は、回答があった23社中、前期と同値の鉄建を除く22社で改善し、13・5%の東鉄工業を筆頭に8社が2桁。土木も「大型工事を中心に採算が改善した」(準大手ゼネコン)とする企業が多く、23社中17社が改善したが、建築に比べて総じて改善幅は小さかった。 17年3月期は、「首都圏では大型開発も出ており、全体的に悪い水準ではない」(準大手ゼネコン)との見方があり、単純平均では16年3月期より0・7ポイント低下するものの9・3%と高水準を維持する見込み。ただ個別に見ると、回答があった22社のうち15社が16年3月期を下回ると予想している。「年度後半から東京五輪関連工事を中心とした大型工事が本格化し、資材費や労務費がどうなるか予断を許さない状況」(大手ゼネコン)と、建設コスト上昇を懸念する企業が多くなっている。

主要ゼネコン25社/粗利益率の改善進む/17年3月期はコスト上昇懸念高まる

《日刊建設工業新聞》

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