【着地型観光:1】外国人ウケする着地型観光のはじめ方(前編) 画像 【着地型観光:1】外国人ウケする着地型観光のはじめ方(前編)

インバウンド・地域活性

【記事のポイント】
▼インバウンド戦略はターゲットを一国に絞る
▼コンテンツ探しは留学生や地域外住民など“外からの目”から


■着地型観光ビジネスは始まったばかり

 メジャーな観光地にはない地域独自の体験ができることで、近年注目を集める「着地型観光」。観光客が現地集合、現地解散する新しい観光のスタイルだ。主催しているのは地域の小規模な団体が中心で、国内の観光客にとどまらず、外国人観光客からも注目を集めている。

 経営コンサルタントの水津陽子氏は14年に『日本人だけが知らない「ニッポン」の観光地』(日経BP社)を出版。同氏の元には、今でもテレビ局から日本人に知られていないような、外国人に人気の観光地に関する問い合わせが頻繁に来ているという。その一方で、観光客を受け入れる地域側にも変化が見えているようだ。

「昔は『インバウンドをやりましょう』と呼びかけても聞く耳を持たず、無理だといっていた人たちも、自分たちの地域にも何かないかと探す動きが、全国各地で出てきました」

 テレビで取り上げられているような地域と違い、本格的な参入はこれからという地域にとって、まず最も知りたいのは「まだ間に合うのか」ということだろう。水津氏は「きっちり収益を上げている成功例はまだまだ少数。これから始める地域でもまったく問題ない」と太鼓判を押す。

 では、まだ間に合うならば、どの国から来る観光客に、どんな観光プランを立て、待ち受けるのが効果的なのか? 近年のインバウンド客の国別の傾向について、水津氏はこう話す。

「13年9月の東京五輪招致決定後はまだ、(東京・京都・大阪の)ゴールデンルートが主流でしたが、14年度の調査ではすでに半数以上が訪日リピーター。地方に行く比率は高まっています。中国人観光客に関するデータを見ても、『静かな農村に行きたい』というニーズが高まっているようです」

■日本人が行かない浜や山に訪日客の人だかり

 アジア圏の観光客には、雪のある北海道、近距離の九州沖縄が人気だ。例えば、最近では秋田の乳頭温泉郷の秘湯「黒湯温泉」がタイ人に人気というように、各地にピンポイントでインバウンド客の流入が見られるという。

 その一方で、アジアの観光客にはそこまで人気はないが、欧米人に人気なのが広島県の宮島。それも嚴島神社の本殿ではなく、大鳥居と弥山(みせん)だという。

「廿日市市の調査によると、嚴島神社島神社の本殿へ行く比率よりも、潮が引いてから大鳥居まで歩く人の比率が高いようです。トリップアドバイザーによる『外国人が行ってよかった観光地のランキング2015』に入った弥山は、ミシュラン・グリーンガイドジャポン第4版で三ツ星に選定された山頂からの眺めが人気ですね」

 欧米からの訪日客は潮が引いたときだけ海の中にできる大鳥居までの砂の道に、かつてのフランスの美しい修道院モン・サン・ミッシエルの姿を重ねているのだろうか。

 一方、嚴島神社の背後にある標高約535メートルの弥山は、本国内での認知度は低いが登山道も整備されているため、こちらも人気スポットとなっている。これを受けて日本人観光客も足を運ぶようになる“訪日リバウンド”現象が起きる可能性も期待されているという。

《塩月由香/HANJO HANJO編集部》

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