日本品質を世界へ拡大。ホテルオークラ、2020への海外戦略 画像 日本品質を世界へ拡大。ホテルオークラ、2020への海外戦略

インバウンド・地域活性

 ◇都市再開発やリゾート開発を注視/海外展開加速、日本品質が強み
 日本を代表する高級ホテルとして知られるホテルオークラは、国内外でホテルチェーンの拡大に取り組んでいる。ホテルの「所有」と「運営」の分離という世界的な潮流を背景に、運営受託に特化して事業を展開。専門性の高いホテル運営のノウハウに磨きをかけ、東南アジアを中心とした世界市場に打って出る。門脇五郎取締役常務執行役員開発営業本部長は、「国内と海外にバランス良く出店し、まずは2020年までに100ホテルの運営を目指す」と目標を語る。
 --ホテル事業の現状は。
 「ホテル運営という業態は特殊で、専門性が高い。海外には巨大なホテルチェーンも現れ、競争が激しくなっている。『顧客とは誰か』を常に意識した商品づくりが求められる。ホテルオークラは、10年にJALホテルズを買収してから、『オークラ ホテルズ&リゾーツ』『ニッコー・ホテルズ・インターナショナル』『ホテルJALシティ』の三つのチェーンブランドを主流に、顧客ニーズに応じた事業展開を進めている」
 「現在、海外展開を加速している。1960年代以降、インドネシアや台湾などでホテルの設計や運営に関する技術指導を手掛けてきた実績もある。運営するホテルの数は、まだ国内に比重がある(国内48ホテル、海外27ホテル)が、将来的にはそれぞれ同程度の件数を目安に増やしたい」
 「特に東南アジアに力点を置く。経済成長が著しいことに加え、日系企業の進出や日本からの観光客も多く、マーケットとして捉えやすい。台湾、タイ、ベトナム、インドネシアなどでは複数のホテルを出店していく」
 --国内での新規出店の可能性は。
 「都市部では(面的な)開発・再開発への参画を想定している。良質なホテルは開発の核となるポテンシャルを持っており、それにより開発自体の価値向上にもつながる。最近は地方都市でも新幹線沿線地域などで開発が活発だ。案件によって事業性などに課題があるが、積極的な出店を考えたい」
 「もう一つ、忘れてはならないのがリゾート開発。例えば、沖縄ではさまざまな開発計画が立ち上がっていると聞いている。IR(統合型リゾート)の動向に注目しており、ホテルを核にしたリゾート開発には機会さえあれば参画したい。海外のIRではマカオで出店実績がある。その評判を受け、フィリピン・マニラでも『ホテルオークラマニラ』の出店が決まり、19年開業に向けて準備を進めている」
 「今後、国内でも複合的な開発・再開発が増えるだろう。そうした枠組みの中でホテルを作り込むとなると、設計・工事関係者だけでは難しく、専門的なノウハウが物を言う。ホテル内の非営業面積(事務などのバックスペース)をいかに小さくするかもその一つ。経営サイドに入らないとしても、開発計画の初期段階から参画することが重要なポイントになる」
 --外資系など同業他社にどう太刀打ちする。
 「日本のホテルであるというアイデンティティーを強く持っている。部屋の造りから食事・サービスに至るまで、日本のホテルの品質の高さは際立っている。海外ではそうした強みを生かしたい。国内でもオークラらしさを積極的にアピールする取り組みに注力したい」
 「海外からは、日本のビルの性能の高さ、とりわけ省エネ技術を評価されることが多い。アジアで新規出店を検討していた際、現地オーナーから日本の省エネ関連企業の紹介を頼まれたこともある。ホテルは、それ自体が日本製品のショールームになり得る。日本の幅広い産業への波及効果も大きいと考えている」
 「『ホテルオークラ東京』の本館建て替えには、1000億円を超える投資を行う。ホテルオークラのフラッグシップであり、ショーケースとなるものに仕上げたい」。
 (取締役常務執行役員開発営業本部長、かどわき・ごろう)

おもてなし-拡大するホテル市場・5/ホテルオークラ・門脇五郎氏

《日刊建設工業新聞》

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