【おおさか地域創造ファンド:5】採択事業の看板を武器に海外進出! 画像 【おおさか地域創造ファンド:5】採択事業の看板を武器に海外進出!

制度・ビジネスチャンス

【記事のポイント】
▼採択事業であることをPR、海外の企業から信頼をつかむ
▼先端技術の商品化は、食いつきの高い海外で勝負
▼技術を持つ海外企業をパートナーとし、量産体制を確立する

■中小企業にとって支援がなければ新事業は困難

 大企業と比べて資金や人材に限りがある中小企業にとって、海外進出には大きな壁が立ちはだかる。しかし、「おおさか地域創造ファンド」の地域支援事業を活用し、海外で市場を拡大しつつある企業がある。クモノスコーポレーション(旧社名は関西工事測量)だ。

 同社は1995年1月に発生した阪神・淡路大震災の復興支援を目的とし、同年3月に設立。測量・設計・施工管理・調査を中心に事業展開してきたが、顧客からのニーズにより、外壁などのひび割れ調査に役立つ計測システム「KUMONOS(クモノス)」を開発。これが国内外の特許技術となり、文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)など数々の賞を受けた。

 しかし、認知度が高まり、製品の売れ行きが伸びるまでに長い年月を要したため、KUMONOSの技術を応用し、従来では困難だった円柱状の構造物を測量できる「TRINOS(トリノス)」の開発に着手。その開発で同ファンドの支援を受けることにした。同社代表取締役社長の中庭和秀氏は、当時を次のように振り返る。

「KUMONOSの開発では外部から資金面の支援をほとんど受けずに進めてしまったので、開発からその後の販促に至るまで資金繰りなどでとても苦労し、順調に進められたとはいえない状況でした。そこで今回は公的な支援を受けようと考えたのです」

■“助成金”と“採択された信頼”、ファンドが海外進出の足掛かりに

 11年度の採択をきっかけに、技術開発のスピードが加速。TRINOS技術を活用した測量機器「Baum Station(バームステーション)」、および応用アプリケーションである杭打設ナビゲーションシステムの製品化に成功する。これは建物などの杭を打つ際の作業を効率化させるものだ。

 中庭氏は建機レンタル業界でトップシェアを誇る西尾レントオールの西尾社長と知り合いで、Baum Station製品化の構想段階からアドバイスを受けていた。そこで、同ファンドの助成金を開発と製品化だけではなく、海外への販促活動にも活用することを思いつく。具体的にはドイツで開催された世界最大規模の測量展示会「INTER GEO(インタージオ)」に出展した。

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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