政府、新興国向けのインフラ輸出拡充。投融資規模20兆円に 画像 政府、新興国向けのインフラ輸出拡充。投融資規模20兆円に

海外進出

 政府は23日、新興国を対象にした日本企業のインフラ輸出戦略を1年ぶりに改定した。昨年5月に安倍晋三首相が提唱してアジアの新興国だけを対象に初めて決定した従来の戦略を大幅に拡充。対象国を世界全体の新興国に広げるほか、今後5年間の海外インフラ案件への投融資規模を従来の倍となる約20兆円に増やす。日本の建設業が得意とする耐久性やライフサイクルコストの抑制効果などに優れた「質の高いインフラ技術」が生かせる事業に優先して投融資を行う方針だ。
 新興国向けインフラ輸出戦略の拡充版「質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブ」は、同日開かれた政府の経協インフラ戦略会議(議長・菅義偉官房長官)に特別に出席した安倍首相が表明した。
 インフラ輸出戦略の拡充は、26、27日に三重県志摩市で開かれる先進国首脳会議「伊勢志摩サミット」の成果として首脳宣言に質の高いインフラの普及を盛り込むことを見越し、あらためて日本の協力姿勢を打ち出しておく狙いがある。
 新戦略では、日本企業のインフラ輸出支援を特に資金面で強化する。例えば、主に途上国の土木インフラ事業に低利融資する国際協力機構(JICA)の円借款を拡大する。それと併せて、円借款事業の手続き期間も大幅に短縮。事業化調査(FS)から着工まで通常5年程度かかる手続き期間を最短約1年半へと短縮する。
 JICAの日本企業向けの海外投融資制度も拡充する。中でも途上国のインフラ事業で為替変動リスクの回避を図る日本企業からのニーズが大きい現地通貨建て融資を拡充し、新たにユーロ建てを解禁する。アジアに次いで旺盛なアフリカ各国のインフラ需要を取り込むのに、欧州各国とのつながりが歴史上深いアフリカでは現行の米ドル建てよりも使い勝手が良いとみられているからだ。
 政府は、インフラ輸出戦略の新たな照準としてアフリカを中心に展開していく方針。8月27、28両日にはケニアで日本主導による「アフリカ開発会議(TICAD)」を開催し、安倍首相がアフリカ各国の首脳・閣僚に日本の質の高いインフラを売り込む予定だ。

政府/新興国向けインフラ輸出戦略を拡充/今後5年の投融資規模、倍の20兆円に

《日刊建設工業新聞》

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