【熊本地震】ICTを活用、復興へのサポート 画像 【熊本地震】ICTを活用、復興へのサポート

インバウンド・地域活性

 ◇関係者間の情報共有サポート
 熊本県を中心に続く地震の初動期対応で、被災状況を関係者らが円滑に把握するため、ICT(情報通信技術)を活用した官民の技術・システムが活用されている。被災者の救援・救助やインフラの応急復旧などに取り組む地元自治体、それを支援する国など関係機関がより的確かつ迅速な行動が取れるよう、被災地の画像やインフラの損傷状況などの関連情報の収集・分析、関係者間の情報共有などをサポート。18~20日に東京都内で行われた「自治体総合フェア」(日本経営協会主催)で官民の取り組み事例が紹介された。
 4月14日午後9時26分ごろに発生した熊本県内を震源とする最大震度7の地震を受け、防災科学技術研究所(防災科研)は同日午後11時30分ころに「防災科研クライシスレスポンス」サイトを公開した。同サイトを通じて防災科研の調査速報を発信するとともに、今回の災害についてウェブ上で公開されている各種情報を網羅的に集約・整理できる。
 防災科研の研究員が翌日に熊本県庁に入り、県提供の道路交通規制状況などの被災情報をウェブ上の災害対応支援地図に反映させ、現地での活動を情報面から支援した。16日未明の本震後は、避難所情報の集約、断水エリアなどのマッピングづくりに当たった。
 初動期対応に当たり、防災科研は専用システムによる情報共有の役割や効果は大きいとする一方、運用面では課題が残ったと指摘。データを各機関で相互にやり取りするための標準化と情報流通の統一規格が必要としている。
 県庁に入った担当者は「地図から被災情報を視覚的にすぐ把握できることは評価されたが、被災地や避難所など現場にいる人たちが持っている生の情報をリアルタイムに共有できるように、スマートフォンやタブレット型携帯端末を活用したシステムへの改良も今後の課題だ」と話している。
 パスコは熊本地震の発生後、自社で収集・解析した情報(航空写真、人工衛星画像など)を、地方自治体専用の回線「総合行政ネットワーク(LGWAN)」などを通じて提供。自治体総合フェアの同社ブースでは、震災後に撮影した航空写真と衛星画像によって被災地の全体像を示した巨大パネルを展示し、視覚的に被災範囲・状況を把握する有効性をアピールした。
 道路情報の計測・分析事業を展開するバンプレコーダーは、専用アプリが入ったスマホで被災地の熊本市周辺の道路を一般車で走行し、舗装路面の段差などの計測を独自に実施。調査結果を国や地元自治体などに提供したところ、国の出先機関から追加の調査業務を依頼されたという。
 同社幹部は「フルオートで走行中の車両の振動データを計測・収集でき、1次調査のスクリーニングなどに適したシステム。今回の熊本地震での実績をアピールしながら、平時の維持管理業務などへの活用を自治体などに積極的に提案していきたい」と話している。

熊本地震/防災科研ら、ICTで初動期支援/インフラ損傷状況など収集・分析

《日刊建設工業新聞》

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