首都圏の民鉄、設備投資は安全対策に 画像 首都圏の民鉄、設備投資は安全対策に

制度・ビジネスチャンス

 ◇豪雨対応の動きも顕著
 首都圏の民間鉄道各社の16年度設備投資計画(鉄道事業)が出そろった。7社の投資総額(見込み)は前年度比4・1%増の1767億円。7社中6社が昨年度を上回った。各社とも鉄道の安全対策を優先的に進めるため、連続立体交差(連立)事業やホームドアの設置、大地震や豪雨に備えた鉄道構造物の補強などに重点配分する。魅力的な駅空間づくりに向けて駅改良工事やバリアフリー化の取り組みも活発に行われる予定だ。
 計画を公表したのは、▽東武鉄道▽小田急電鉄▽京浜急行電鉄(京急電鉄)▽東京急行電鉄(東急電鉄)▽京成電鉄▽西武鉄道▽相鉄グループ-の7社。京王電鉄は設備投資計画を公表していない。
 連立事業では、京成電鉄の押上線四ツ木駅~青砥駅間(東京都葛飾区、延長約2・2キロ)の高架化工事が15年度末に着工した。22年度の事業完了を目指し、16年度は準備工事を進める。設備投資計画を公表していない京王電鉄も、京王線笹塚駅~仙川駅間(東京都世田谷区、渋谷区、杉並区、延長約7・2キロ)の高架化工事を16年度に始める。高架橋などの建設用地の取得が進んだ場所から順次、関連工事に入る予定だ。
 災害対応をはじめとした鉄道の安全対策には、各社とも引き続き重点的に投資する。京急電鉄は、中長期的な視点から安全対策投資を継続的に行う方針を示しており、高架橋の耐震補強工事、のり面防護、トンネル補修、橋梁補修などの防災・地震対策に取り組む。2020年までに東横線、田園都市線、大井町線の全64駅へのホームドア設置を目指している東急電鉄は16年度、自由が丘駅(東京都目黒区)や二子玉川駅(東京都世田谷区)など12駅で設置工事に着手する。
 昨年9月の関東・東北豪雨で路線が被害を受け、復旧作業を経験した東武鉄道は、豪雨被害を受けた箇所の防災対策として、のり面の改修工事や排水設備の新設を計画している。京成電鉄も、京成臼井駅~京成佐倉駅間(千葉県佐倉市)などで、のり面の補強工事を実施する。
 快適で便利な駅空間づくりに注力する動きも目立つ。東急電鉄は、駅周辺で都市開発が進展している渋谷駅(東京都渋谷区)など複数駅でエスカレーターやエレベーターを増設し、利便性の向上、バリアフリー経路の強化に取り組む。小田急電鉄は、本厚木駅(神奈川県厚木市)中央口や新宿駅(東京都新宿区)西口地下の改修工事を進める。
 相鉄グループは、海老名駅(神奈川県海老名市)の駅舎建て替えや、駅前再開発に合わせた二俣川駅(横浜市旭区)の増築に加え、統一コンセプトに沿って駅舎や車両をリニューアルする「デザインブランドアッププロジェクト」の一環として複数駅のリニューアル工事を計画している。

首都圏民鉄各社/16年度設備投資計画出そろう/連立事業など安全対策に優先配分

《日刊建設工業新聞》

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