【海外進出を支援する:4】商品力×補助金がうんだ世界人脈 画像 【海外進出を支援する:4】商品力×補助金がうんだ世界人脈

制度・ビジネスチャンス

 塗った後から剥がせて、また貼れる画期的なペンタイプの塗料「マスキングカラー」。いま、さまざまなアーティストが創作イベントで使う話題の商品だ。

 開発したのは1951年創業の東京都大田区にある水系塗料メーカー「太洋塗料」。社員数22名の同社は2016年初頭、商品を携えて欧州最大のインテリア見本市「Maison & Objet(メゾン・エ・オブジェ)」に出展する。商談は次々とまとまり、この夏には、英語版のパッケージに包まれた商品がスイス、フランス、ベルギーなど各国のセレクトショップに並ぶ予定だ。

 マスキングカラーの値段はSサイズで1本1500円から。Lサイズになると3800円からと、決して安くはない。それでも13年8月の市販開始からこの3年弱で、同社の年間売上の3%にあたるおよそ5000万円の売上を得た。今後は海外販路を軌道に乗せ、18年までに年間売上5千万円を目標に掲げる。

 「メゾン・エ・オブジェ(Maison & Objet)」に日本から出展しようとすると、それにかかる費用は300万とも400万ともいわれる。どれぐらい前から出展の計画を立てていたのか。取締役の神山麻子技術部部長に聞くと、「15年の年明け」だという。

「出展を決めた後で、活用できる補助金を探しました。その中で視野に入っていたのが、MORE THANプロジェクト。募集していたことは前年から知っていたのですが、とはいえ海外進出はまだ先と当初は考えていました」

 道路や自動車、建築など工業向け水系塗料の分野において業界内で高い技術力を誇ってきた同社だが、実は一般消費者向けの商品を発売したのはマスキングカラーが初めて。そこから3年もたたないうちに同社が海外進出を果たし、本業とは別の新たなもうけを生み出せた大きな理由のひとつは高い商品力、そして人脈力だ。

■海外進出前の10年で補助金を次々獲得

 実は、太洋塗料にとって、海外進出そのものは決して「長年の悲願」というわけではない。話は今から10年ほど前に遡る。国内市場の縮小に備え、B to C市場への進出の機会を狙うことを任された林清史常務と神山部長。二人が手始めに行ったのが補助金申請だった。

「機械の購入一つとっても、展示会に出展するにも、新しいことを始めるには何をするにもお金がかかります。そこで、ありとあらゆる補助金に応募しました」

《塩月由香/HANJO HANJO編集部》

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