公共土木工事、工期延長が6割超で休日圧縮 画像 公共土木工事、工期延長が6割超で休日圧縮

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 ◇作業日と休日の圧縮目立つ
 日本建設業連合会(日建連)は、国土交通省など公共発注機関と行う16年度の「公共工事の諸課題に関する意見交換会」に当たって行った公共土木工事に関する会員アンケートの結果を明らかにした。工期が3カ月以上延長された工事が6割以上あり、追加工事の発生や関連工事への協力に加えて「設計の見通しが甘い」との指摘が多いなど受注者に責任のない事情での工期延長が目立った。着工準備と後片付けの期間が設計時より長く、作業日と休日が圧縮されている実態も浮き彫りになった。=1面参照
 調査は、公共積算委員会に参加する40社を対象に実施。14年11月~15年10月に竣工した国、高速道路会社、機構・事業団、都道府県・政令市が発注した3億円以上の工事について工期、工程、休日の状況などを聞いた。
 工期が延長された工事は、発注機関別では道路関係会社で94%に達し、ほとんどの工事で延長されていた。3カ月以上延長されたのは全体の68%で、1年以上の延長も18%あった。発注機関別に見ると、3カ月以上延長されたとの回答は、国交省(建設)60%、同(運輸)が44%、道路関係会社91%、機構・事業団83%、自治体68%。
 工期延長の理由は、「追加工事の発生や関連工事への協力」が69%で最多。次いで「設計条件の見通しが甘かった」(45%)、「設計図書が不十分」(20%)となった。工事の条件明示が不十分なために工期の確保に影響が出たとの回答は全体の44%あり、不十分な項目は工程(56%)、用地(28%)、工事支障物件(24%)の順で多かった。
 約37カ月の工期で積算されたあるトンネル工事の実際の工程を積算ベースと比較すると、3カ月とされた準備期間は、施工計画の作り込み・申請、資機材手配、関係機関申請手続きなどで5カ月必要だった。全体工期は変更しておらず、掘削工は積算の平均月進37メートルを上回る44メートルで実施。月稼働日は21日から25日に増えた。積算工程にはインバート工がなく、覆工の完了は掘削終了から1カ月後になっていたが、現場はインバート工終了から約2カ月後となった。後片付け期間は積算の1カ月では済まず2カ月かかり、準備と後片付けの期間の不足をカバーするため土曜日を稼働させた。
 休日については、工事開始時から4週4休でしか休日を確保できない工事が全体の52%で、4週8休の設定は11%にとどまった。4週6休以上を設定した現場でも計画通りに休日を取得できたのは37%だけ。4週6休以上で休日を設定しなかった理由は、「工期が厳しい」が最も多く全体の81%に達した。
 日建連は、意見交換会の主要テーマの一つに工期・工程のあり方を設定している。現場の実態を訴え、円滑な施工と休日の確保を目指して積算のあり方を含めて発注機関と現場の課題の解決に取り組む方針だ。

日建連/公共土木工事、工期3カ月以上延長が6割超に/会員アンケート結果、休日圧縮

《日刊建設工業新聞》

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