ようこそダムへ! インバウンド向けインフラ観光に注目!! 画像 ようこそダムへ! インバウンド向けインフラ観光に注目!!

インバウンド・地域活性

 政府は、国が管理する施設を新たな「観光資源」に位置付け、一般公開の拡大や施設機能の充実を図る取り組みに乗りだした。外国からの賓客を接遇する迎賓館(東京、京都)をはじめ、利用が限られている多くの有名施設の一般公開を大幅に拡大。人気が高いダムや橋梁など土木インフラの観光ツアーも、参加者がさらに増えるよう内容を充実させる。2020年に年間訪日外国人旅行者(インバウンド)を当初目標の倍の4000万人に増やす「切り札」にする。
 国の施設を新たな観光資源に位置付ける取り組みは、政府が3月に決定した新たな中長期の観光戦略「明日の日本を支える観光ビジョン」に盛り込んだ。
 観光庁の担当者は「海外の観光先進国では、同じような取り組みがインバウンドの呼び水となっている。例えば、フランスでは(通年公開されている)ベルサイユ宮殿の見学ツアーが大変な人気を集めている。日本もこれに続きたい」と話している。
 中でも最大の目玉になるのが、国内外の要人だけが利用する施設の一般開放の大幅拡大だ。
 外国の元首など国が招いた賓客の宿泊やもてなしに使う施設である迎賓館がその代表。東京・赤坂にある西洋風宮殿建築が特色の迎賓館赤坂離宮では4月19日から通年での一般公開を開始。和風建築を特色とした京都市にある京都迎賓館では、この大型連休中の試験公開を経て7月下旬にも一般公開を通年で始める。
 さらに、東京にある皇居や首相官邸、日本銀行本店、京都にある京都御所といった施設の一般公開も一斉に拡大する。
 観光庁は「外国人の旅行者に『プレミア感』を提供できるかどうかが大事。それが日本に足を運んでもらえるかどうかを大きく左右する」(担当者)とみる。
 一方、国土交通省が民間の旅行会社と組んで展開中の土木インフラのツアーもさらに充実させる。現在も国内の「ダムマニア」などを中心にインフラツアーの人気は高いが、今後は外国人旅行者の参加も増えるよう、開催日や時間の多様化、回数の増加、内容の充実を図る。
 具体策の一つが、埼玉県春日部市の国道16号直下50メートルの地下にある世界最大級の地下放水路「首都圏外郭放水路」の見学定員拡大。平日の個人見学の定員を増やし、6月以降は午後3~4時の見学会で定員を50人に倍増させる。新たに月1回のペースで休日の土曜日にも見学会を開く。
 このほか、環境省が16年度から、国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化する新たなプロジェクトに乗りだす。米国の有名観光地で世界最古の国立公園であるイエローストーン国立公園をヒントに、従来の自然保護と、観光資源化という新たな考え方を調和させながらの整備を進める。
 16年度にまず5カ所程度の国立公園をモデルとして選出。自然や温泉を生かしたアクティビティーの充実や民間宿泊施設の誘致、景観をより美しく見せるよう電線の地中化などに取り組む。20年度までに外国人の国立公園来訪者数を現在の年間430万人から1000万人に増やすことを目標に掲げている。

政府/公共施設の一般公開拡大/迎賓館や皇居、外国人旅行者誘致へ

《日刊建設工業新聞》

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