日本発の果物、野菜ーー海外での品種登録の支援へ!

海外進出

 農水省は、野菜や果樹などの新品種について、海外での品種登録の支援に乗り出した。日本で試験栽培した際のデータを無償で提供し、外国政府が栽培試験する手間を省き、審査期間の短縮につなげる。中小の種苗業者や農家が外国で品種登録する手続きを手助けすることも検討している。種苗の輸出に弾みを付けて生産量を増やし、種苗価格の低減につなげたい考えだ。

 植物新品種の育成者は、品種登録により「育成者権」が認められている。育成者の権利を保護することで優れた品種の開発を促すためだ。「植物の新品種の保護に関する国際条約(UPOV)」では、新品種として海外で登録できる植物は国内発売から4年以内、果樹は6年以内となっている。

 その期間を過ぎると品種登録できず、海外に持ち出されて日本の品種が栽培されていたとしても対処できない。日本への逆輸入や輸出促進への影響が懸念され、実際に静岡県が育成したイチゴ「紅ほっぺ」が中国で栽培される事例も起きている。

 このため農水省は3月、日本からの品種登録出願数が多いオーストラリアやブラジル、ニュージーランド、スイスの4カ国と、日本で試験栽培したデータを無償提供することで合意した。

 日本の業者がこの4カ国で品種登録をする際、果樹であれば7、8年かかる審査期間を大幅短縮でき、栽培試験にかかる年間数十万円とされる審査料を支払う必要もなくなる。今後、欧州連合(EU)、ベトナムなどにも順次拡大する予定だ。

 同省は、中小の種苗業者や農家に対して、開発した新品種を外国政府に品種登録出願する際、申請書類の書き方や申請方法などを情報提供することも検討している。海外で日本の新品種の育成者権を保護することで、種苗の生産拡大に加え、農産物の輸出拡大にもつなげたい考えだ。

 種苗価格の低減には、生産量を増やすことが欠かせない。ただ、日本国内の市場規模は2000億~3000億円と推計され、これ以上の拡大も見込み難いため、いかに輸出を伸ばすかが重要になる。

 政府が今秋にまとめる環太平洋連携協定(TPP)の中長期対策では、生産資材価格の引き下げが目玉になる。今回、導入する海外での品種登録支援は、資材低減を進めるための具体策の一つにもなる。

海外でも 品種登録 種苗輸出、価格下げ 農水省が支援策

《日本農業新聞「e農net」》

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