元請の法定福利費支払い、地場ゼネコンは道半ば 画像 元請の法定福利費支払い、地場ゼネコンは道半ば

人材

 建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)が15年度に行った実態調査で、社会保険加入に必要な法定福利費が明示された見積書(標準見積書)を提出した場合、元請から「全額支払われた」とする回答が81・3%と8割を超えた。「減額して支払われた」の7・1%を合わせると9割近くとなる。「全額」支払いは公共工事が87・0%で、「減額」(8・1%)と合わせて95・1%。民間工事も「全額」が76・8%で、「減額」(6・3%)と合わせると83・1%に達した。
 標準見積書を提出した公共工事で全額支払われたとする回答を元請のタイプ別にみると、大手5社87・0%、準大手94・4%、中堅86・1%、地場83・3%。同様に民間工事では、大手5社85・9%、準大手78・2%、中堅73・2%、地場57・6%。調査委員会の蟹澤宏剛委員長(芝浦工大教授)は「日本建設業連合会(日建連)の方針通り、全国大手は取り組みが大きく進んでいる一方、地場ゼネコンは道半ば」と指摘している。
 地区別でみると、公共工事で全額支払われたのは、最も低い北海道でも75・9%で、北陸、四国、九州、沖縄は100%に達した。逆に民間工事は、東北、関東、北陸、中国、四国で8割超が全額支払われていると回答したのに対し、近畿では「まったく支払われなかった」が57・9%と半数を超えるなど、地域間でばらつきが見られた。
 地域差はあっても、法定福利費支払いに関する元請業者の前向きな姿勢が見られるのは、専門工事業者側から標準見積書を提出したとする割合が前年度調査の24・1%から今回は53・2%と倍増していることが背景にある。標準見積書の活用が法定福利費を確保する唯一の具体策とすれば、これを一段と浸透させていくことが、国土交通省が定めた目標(17年度までに許可業者の100%加入など)まで残り1年となった未加入対策の大きなテーマとなりそうだ。
 賃金台帳に記載された人を調査対象とした加入実態は、負担の重い厚生年金の「社員」加入率が91・1%と前年比で4・7ポイント上昇。社員以外は27・0%だが、前年比で16・8ポイント上昇と大幅な伸びを示した。国民年金と合わせれば社員以外の加入率は74・5%(前年68・2%)にまで伸びた。
 調査は、建専連会員団体の加盟会社とその下請企業を対象に昨年11月から今年1月にかけてアンケート方式で実施。有効回答数は加入状況が407件(下請を含め2346社)、標準見積書活用状況が340件(延べ713工事)となった。

建専連/元請の法定福利費支払い実態調査結果/8割が標準見積書提出で「全額」

《日刊建設工業新聞》

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