アジア航測が森林管理支援にドローン活用
IT業務効率
航空レーザー計測は、航空機に搭載したレーザー測距儀などを用い、レーザーパルス1点ごとに位置座標を取得して対象物の3次元データを求める。同社では、この航空レーザーによるデータを用いて森林情報を解析する特許技術を保有しており、航空レーザー計測を活用して森林マネジメント支援を広く展開している。
ただ従来の航空機による計測では、高空を高速で飛行するため、広範囲の森林の情報収集には適しているが、計測で得られるレーザー点群密度は1平方メートル当たり4点と限られ、樹木一本一本に至る詳細な森林情報の把握は難しかった。
ドローンによる計測では、低空を低速度で飛行することから、得られるレーザー点群密度が飛躍的に上昇。4月上旬に解析した実証実験データでは、1平方メートル当たり数百点のデータが得られ、樹木の枝や葉の付き方から下層植生の被覆状況に至る詳細な情報が得られた。
航空レーザー計測を活用した森林マネジメント支援では、森林域での立木本数や樹高、周辺の地形、地質の把握により、伐採計画や路網計画、治山計画の立案などに広く使われている。
ドローンによる計測でも、飛行範囲は限られるものの、航空機と同様のデータの取得が可能なことは確認済み。加えて樹木一本一本の形状や生育状況など、より詳細な情報が得られるため、全国の森林で課題となっている松枯れなどの害虫被害の早期発見による被害拡大の防止など、より効率的できめ細かい森林管理が可能になると期待される。
同社は取得したデータのさらなる利用方法などを模索し、森林管理支援分野へのドローン活用を広げていく方針。22日まで千葉市美浜区の幕張メッセで開催中の第2回国際ドローン展でブースを設け、PRしている。
アジア航測/森林管理支援にドローン活用/レーザー点群密度向上、詳細情報取得可能に
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