【オリンピックと業界認証:6】ハラル編 画像 【オリンピックと業界認証:6】ハラル編

インバウンド・地域活性

 訪日外国人観光客が年々増加しているにもかかわらず、それを顧客として獲得できていない、あるいはトラブルが起きてしまうといったケースは決して少ない。その原因の1つとして挙げられるのは、日本とは異なる文化や習慣、風習などの存在だ。

 中でも、見逃せないのが宗教の違いだ。ここ数年、注目を集めているハラル認証はまさにそれ。イスラム教徒すなわちムスリムは、「ハラル(ハラール)=許されている」と「ハラム(ノンハラル)=禁じられている」によるイスラムの教えに従っている。例えば、野菜や果物、魚、卵、牛乳などのハラルは口にするが、豚や酒といったハラムには決して手を出さない。訪日ムスリムを迎え入れようとしても、食事にハラムが含まれていれば相手にされないわけだ。

■実は統一されていないハラル認証

 ハラル認証はハラルにのっとった商品・サービスであることを第三者的に認証するもの。認証機関に申請し、厳しい審査をクリアすればそのお墨付きを受けられる。ただ、ここで注意が必要なのが、ハラル認証に世界的な統一基準がないこと。各認証機関は独自の審査基準や審査方法により認証制度を運営している。

 一例として、マレーシアは国レベルで統一したハラル認証を展開しているが、そのようなケースはごくまれだ。多くの国や地域では宗教法人、非営利団体、株式会社など、運営主体は1つに定まらない。

 ハラルに詳しく、ハラルビジネスのサポート事業を展開するハラル・ジャパン協会で代表理事を務める佐久間朋宏氏は、「ハラル認証機関は世界に400以上あると言われています。日本国内で私が確認できているのは約20ですが、80ほどあると言う識者もいるため、全容をつかめていないのが実情」だと前置きした上で、次のように指摘する。

「ハラル認証はハラルであることをわかりやすく示すビジネスツールのようなもの。制度としての歴史は50年ほどしかありません。ですので、ムスリムが求めているのはハラル認証の商品・サービスに限っているわけではなく、原材料を相手の言語ではっきりと表示し、製造過程や製法などもハラルにのっとっていることを公開すること。それで、ハラルビジネスとしては十分に成り立つのです」

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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