【ICTが変える高齢化社会:1】広がる医療・介護の市場 画像 【ICTが変える高齢化社会:1】広がる医療・介護の市場

IT業務効率

 現状では、介護者をサポートする機器・ロボットの市場が広がりつつあるが、プレーヤーはまだ限られている。介護ロボットは人工知能技術の発展とともに実用化が進んでいるが、技術面や信頼性、法的な問題から普及はもう少し後になるだろう。アシストスーツやセラピーロボットなどが浸透してくれば、受け入れ側の違和感や不信感はなくなってくるが、それには時間が必要だ。

 とはいえ、これから労働人口は減る一方なので、介護者はロボットの利用を含めた作業の自動化、効率化は避けて通れない。しかも、10年、20年単位で考えても、いまのところ日本の人口が増加に転じる要因は見当たらない。

「2025年には、いわゆる団塊ジュニアの世代が後期高齢者に達します。認知症の対策、介護の問題はますます広がってくるでしょう。医療・介護に関する市場はまだこれから大きくなります」

■まずはバックヤードのICT化が進む

 日本におけるロボットを含むICT介護はまだ過渡期の状態であり、市場が定着、安定するにはまだ時間がかかると考えるべきである。また、ロボットや機器が介護保険、医療保険の提供対象として認可されるかも重要なポイントだ。保険適用が認められれば、病院や施設は導入しやすい。しかし、専門家にアドバイスを乞う場合、その人選が難しいと真野教授はいう。

「欧米には、医療機器、介護製品などに特化したコンサルタントがいますが、国内にはそもそもそういう専門家が多くありません。介護ビジネス、許認可に詳しいその分野の識者や研究者をあたることになるでしょう」

 ITや自動化というとコストダウン効果を考えがちだ。しかし、医療・介護分野では、それ以上に中長期的な問題として、絶対的な労働力不足をどう克服するかが問われている。ビジネスもそれに合わせて、中長期で労働力サポートや作業支援など、単位労働力あたりの作業効率を維持、またはアップさせる視点が必要だ。

 その上で、介護事業者はまず情報システムのIT化を進めていくことになるだろう。総務や事務などのバックヤードの効率化は、書類作成の簡略化、作業スケジュールの効率化など、介助者の負荷軽減にも繋がっていく。業務やビジネスに関係が深い部分でのIT化は、既存のICTとの親和性も高い。導入のハードルは高くなく、今すぐにでも導入を検討すべきだ。その効果を経験することで、ロボットやIoTの運用をどう進めていくか? より身近な視点で検討できるだろう。

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《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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