国交省が専門工事業者の仕事の繁閑「可視化」 画像 国交省が専門工事業者の仕事の繁閑「可視化」

IT業務効率

 国土交通省は、専門工事業者の仕事の繁閑を調整する支援ツールを開発した。民間建築工事が対象で、工事実績や着工統計などのデータを入力すると年間を通じた施工数量と必要な技能労働者数を地域別・工種別に推計できる。繁閑度合いを可視化することで、人材・機材の稼働平準化や地域・工種をまたいだ協業による業務効率化などに役立ててもらう。専門工事業者や関連団体などに無償提供する。繁閑調整が定着すると技能者の社員化や社会保険加入促進にもつながりそうだ。
 繁閑の推計には、分析対象の工事・工種の実績、建築着工統計、将来着工推計の三つのデータが必要となる。実績データには業界団体などが集計している既存データを利用。着工統計・推計は国交省の調査結果などを用いる。
 データを入力すると自動で統計処理を行い、地域(都道府県単位)・工種(27工種)ごとに、今後1年間の施工数量とそれに必要な技能労働者数(必要人工)が月ごとに出力される。着工推計データが複数年あれば、その期間分を推計できる。
 繁閑の波を地域と工種を特定してグラフ化することで、技能労働者や資機材などの稼働や工事数量を年間で平準化するための基礎データが得られる。仕事量の底を把握すれば先行きを見通すことができるため、非社員扱いとなっている技能労働者の社員化など処遇改善も図れるとみられる。
 地域間の繁閑調整によって支店の新規展開、企業統合や協力相手の発掘など経営の多角化・安定化にもつながる。工種ごとに繁閑時期が分かれば、複数工種を1人で施工できる多能工(複合工)の最適な組み合わせも可能となる。同業種内で人材を融通し合うことを認める厚生労働省の「建設業務労働者就業機会確保事業」の有効活用に役立つ可能性もある。
 発注者にとっては繁閑予測を踏まえた適切な発注・納期が設定可能。ゼネコンは専門工事業者の地域間での流動的な活用の検討により、予測を踏まえた工事工程計画を作成することができる。
 国交省は現場の生産性向上策として繁閑調整による人材の効率的活用について検討している。今後ツールの活用方法などについて、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)合同の基本問題小委員会(大森文彦委員長)で議論を深めていく。

国交省/専門工事業者の仕事の繁閑「可視化」/支援ツール開発、工種・地域ごとに推計

《日刊建設工業新聞》

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