国土強靱化行動計画、何を優先すべきなのか? 画像 国土強靱化行動計画、何を優先すべきなのか?

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 政府は14日、5月末に決定する16年度版の国土強靱(きょうじん)化行動計画の素案をまとめた。過去1年の間に起きた大規模災害を教訓に、官民で優先的・重点的に推進する防災・減災施策とその目標値となる重要業績指標(KPI)を設定。昨年9月の関東・東北豪雨を教訓に、河川堤防のかさ上げなどの豪雨災害対策を中心とする6施策とKPIを追加したほか、25施策のKPIの変更を行った。
 国土強靱化行動計画は、13年12月に施行された国土強靱化基本法に基づいて策定され、毎年度改定している。今回は2回目の改定。昨年6月に決定した15年度版行動計画では、14年に頻発した土砂災害や火山噴火災害に対する施策を充実させていた。
 16年度版計画の素案によると、新たに追加する6施策とKPIのうち4施策が豪雨災害対策。国土交通省が昨年末に策定した今後5年の治水対策計画「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、総額8000億円を投じて国の直轄管理河川の堤防かさ上げや天端の保護といったハード対策を推進。国と地方自治体が管理する河川の周辺地域を対象に、時系列の水災害対策行動計画(タイムライン)の策定も普及させる。いずれも20年度までに一定の成果の達成を目指す。
 KPIを変更する25施策のうち、主なハード施策では、14年度版計画から重点展開している南海トラフ巨大地震対策と首都直下地震対策をさらに強化。太平洋沿岸地域でかさ上げや耐震化などを推進している海岸堤防整備率のKPIを見直し、15年度版計画で「16年度までに14年度の約35%から約66%に引き上げ」としていた目標を「20年度までに約69%」と改めた。
 住宅の耐震化率を20年度までに13年度の82%から95%に引き上げるとしていた目標は「25年度までにおおむね100%達成」へと変更。市街地幹線道路で電線類を地中に埋設する「無電柱化」率は、16年度までに13年度の15・6%から18%に引き上げるとしていた目標を「20年度までに20%」へと見直した。
 政府は近く、素案に対する一般からの意見募集を始め、5月中旬まで受け付ける予定だ。
 《16年度版行動計画で追加・変更予定の主な施策と目標値》
 【追加】
 △国管理河川堤防のかさ上げなどの整備延長=現状値未算出→約1200km(20年度)
 △国管理河川堤防を壊れにくくする天端保護などの整備延長=現状値未算出→約1800km(20年度)
 △国管理河川周辺地域の時系列の水災害対策行動計画(タイムライン)策定数=現状値未算出→730市区町村(20年度)
 【変更】
 △下水道による都市浸水対策達成率(現状達成値約57%)=現状目標値約60%(16年度)→約62%(20年度)
 △道路斜面の要崩壊防止対策箇所での対策実施率(現状達成値14年度64%)=現状目標値68%→75%(20年度)

政府/国土強靱化16年度版行動計画素案/豪雨災害対策を充実、6施策・目標追加

《日刊建設工業新聞》

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